読書録 本読みの貪欲

近畿地方の某田舎町で一人暮らし中。

無い内定な私が面接中に考えていること

読書関係ない。本出てこない。それでもよろしければ、お読みください。


コンコンコン


私 失礼いたします、地方大学社会の役に立つのかしら学部から参りましたdokusyotyuです!本日はよろしくお願い致します!
面 どうぞ。

(えっと、ノックは三回で、声は大きく笑顔、第一印象が重要、背筋は伸ばして、綺麗に歩いて、椅子の左側に立って……)

持ち前の不安症により覚えてしまった就活サイト・就活本の文言が頭を飛び交う。


面 どうぞ、お座りください。
私 失礼いたします。
面 自己紹介をお願いします。
私 はい! 地方大学社会の役に立つのかしら学部でも研究は楽しい専攻dokusyotyuです。放置系研究室に所属し、○○な研究をしています。趣味は読書と本屋巡りです。以下略。

(とりあえずここは一分ぐらいバージョンで)

用意し、練習したはずなのに、噛む。


面 緊張してる?
私 緊張してます。


手が震える。本当に震える。びっくりするぐらい震える。


面 あんまり緊張しないでもいいよ。
私 すみません。

(無理です)


面 ところでわが社を志望した理由を教えていただけますか。
私 はい。○○を△し利益を得るというビジネスモデルに惹かれ■■業界を志望しました。■■業界のなかでも御社は~であり、私の~~な能力を生かせるのではないかと思い志望しました。また御社の◎◎なところも~ ……

(直観です。たまたま求人票を見つけて、なんとなくいいなと思って、まあこの距離なら通えるかなとか、ここなら長く働けるかなとか思って、エントリーして履歴書出した。だって日本に企業って何社ある? 絶対に私の知らない職業や業界があると思うし、すべてを比較検討なんてできない。志望度を見るため? 就職したって3割はすぐ辞めるっていうし、逆に、どのような職場で職種でもある程度頑張ればどうにかなりそうな気もするし、そもそも合う合わないって実際に働かないと分からないのに、何を言わせたいのだろう。それこそ「ご縁があると思った」以上の理由がいるのだろうか)


面 なるほど、分かりました。

(就職サイトを見て作りましたけどね)


面 続いて、学業以外に学生時代に頑張ったことを教えていただけますか?
私 はい。私はサークル活動で◎◎を行っておりまして、その際▼▼という役職についておりました。学園祭で出店をした際のことですが~ ……

(学業以外って何だよ。むしろ勉強と研究しか頑張ってないよ。悪いんですか、そうですか。つまらない学生生活で申し訳ありません。研究生活で身についたこと? 論理性? 朝八時半から夜十時過ぎまで、研究室にいることが苦痛じゃなくなりました、徹夜は苦手ですが研究室のソファーで眠ることができるようになりました。御社に入社した際は立派な社畜としてしっかり働きたいと思います。やりがい搾取で結構ですので働かせてください)


面 面白い経験ですね。
私 ありがとうございます。

(ありきたりなエピソードで申し訳ありません)


面 ところで趣味は読書とありますが?
私 はい、昔から本を読むことが好きで、今も週末は図書館に通っています。 

(あと、人生について悩むことも趣味といえるかもしれないです。重症です)


面 どのようなジャンルの本を読むのですか?
私 そうですね……あまりジャンルにとらわれず、さまざまな本を読むようにしています。フィクションとノンフィクションは半々ぐらいですね。大学生になってからは今までに読んだことのないジャンルの新書を積極的に読むようにしています。

(海外文学…と言ったら、暗い真面目な人間に思われるのだろうな。クンデラ読んでますと言っても通じないだろうし。戦前戦後その辺りの日本純文学も好きだけど。文学の系統良く分からない)


面 そうですか。
私 はい。
面 それから、長所が臨機応変に対応できること、短所が優柔不断なこととありますが?
私 はい。何か目的が決まっている際は、そのための手段をその場の状況に合わせて臨機応変に変更し、効率よく目的が達成できるよう工夫することができます。一方、目的自体を決めなければならないという時は、じっくりと時間をかけて考えます。

(人生の目的とは何か、とかね。その人生の目的のために今何をすべきか、どのように働くべきか、とかね。就活、正直周りの決断力の速さに驚いている。どうして人生の方向性をこんな短期間のうちに決めて、内定のために一直線に走ることができるのだろう? もちろん悩んでいたところで状況は何も変わらない、人生は進まないことは分かっているのだけれど)


面 他に、コンプレックスや挫折等を乗り越えた経験はありますか?
私 コンプレックスですか、そうですね~ ……

(私のコンプレックスはつまらない人間であることです。克服はできそうにありません)


面 そうですか。それでは、その経験を生かし、わが社で十年後、どのように働いていたいですか。
私 はい、まずそれまでにいくつかの部署を経験し実績を積んだ後、十年後には~ ……

(私もあなたも明日、死ぬかもしれないのに。そこまではいかなくとも、未来は誰にも分からない。なんだかこの問いにはものすごく抵抗がある。最悪を考えて努力しなければと常に思っている。最悪って何だ?)


面 最後に自己PRをお願いします。
私 はい。私は●●●な人間です、以前、卒業研究をした際~ ……

(私はどこにでも普通にいる人間です。あえていうならば、良くも悪くも優等生気質ですが、それでもやはり普通の人間です。ごく普通に生き、ごく普通に死んでいきたいと思います。わざわざ言語化してアピールするほどの能力も実績もありません。今までさぼってきたから悪いのだと思います。でも自分では、必死に生き抜いてきたつもりでした。人間として、生物として弱いのかもしれません。でも御社で採用していただいた際は、普通の人と同じ程度には仕事をこなしていけると思います。人の能力って、言う程違いがあるのだろうか。どうせ死ぬといった点では、どのような人も変わらないではないか。そもそも生きていくという事実の中で、仕事はどのような意味があるのだろうか。意味のある仕事はあるのだろうか、意味のない仕事はあるのだろうか。私は何を仕事とすべきだろうか。分からないのはいけないことか。言語化し、面接官の前でしっかりと話せないと、社会人として不適なのだろうか、働けないのだろうか)


面 最後に何か質問はございませんか?
私 そうですね、御社に入社するとした場合、学生時代に勉強しておいた方がよいことはありますか?
面 我が社は社員教育に力をいれておりますので、特にありません。強いて言えば、大学の学業をしっかりと納めてください。

(最後の質問は必ずすることby就活サイト 聞きたいことはたくさんある。でも、聞いたところでどうしようもないことも多い。むしろ面接の場で質問すべきことではないことこそ、聞きたい。このやりとり、なんだか芝居染みていて嫌だ。コミュ力がある人は違うのだろうが)


私 ありがとうございます。
面 他には?
私 いえ、大丈夫です。本日はお忙しいなか面接をしていただき、ありがとうございました。
面 それでは、結果は、来週までに○×ナビにてお知らせいたします。
私 はい、ありがとうございます。それでは失礼いたします。


一礼。タイミングにいつも迷う。最後まで、震えは止まらなかった。


私 それでは失礼いたしました。
面 はい。


面接、終了。
来週になっても、昨来週になっても結果は、こない。
私は就職できるのだろうか。


4枚履歴書を書き損じ、鬱憤晴らしで書いた文書ですが、最後までお読み頂き大変ありがとうございました。
読者の皆様の今後ますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。