本の雑誌7月号は書斎特集!
2年ほど前から『本の雑誌』を購読している。
予約していた7月号を取りにいってきた。今更感は否めないが。
表紙を開いて驚いた。
写真だ。
そこには円形の部屋をぐるりと囲むように配置された本棚の写真があった。
普段の「本の雑誌」は、表紙を開いたところに「今月の一冊」というエッセイが配置されている。
今回はそのページがなく、いきなりグラビア。
紙質も良い。
ページを捲る。
また、写真。
捲る。写真。捲る。写真。
写真によって切りとられているのはすべて本棚だ。
本棚、という言葉は不適かもしれない。
圧倒的な本棚のつらなり、書庫、書斎、個人的な図書館。
巻頭グラビアでは、8人の読書人がその「本棚」を公開している。
本棚にはむろん、びっしりと本が詰まっている。
地図研究家の書斎の部屋もある。地図はこのように所有するものだったのか。
今月の本の雑誌の特集は「絶景書斎を巡る旅」であった。おおお。
巻頭グラビアの後も、書斎にまつわるエッセイや読者投稿が続く。
そしてようやく目次へとたどり着く。
自分の本棚。
書斎特集、読み物も面白かったが、やはり有無を言わせぬ迫力をもつ巻頭写真が凄かった。
無数の本の並ぶ本棚を見て、妙に安心した。
もうほんと、あの書斎たちには何冊の本があるのだろう。
人間は一生のうちにあれだけの本を読むことができるのだ。
あれだけ読めれば、多少は満足できるのではないだろうか。
本に囲まれて暮したい、と思う。
いや、実際、自分の極小の部屋には本が溢れているし、研究室のデスクの横にある個人本棚からは資料や雑誌や本が今にも溢れそうな状況ではあるのだけれど。
私のうちの本棚とそこに並ぶ本たちは、写真の本棚に比べると、どうも見劣りがする。
整理整頓されていないからか。
理想の書斎を手に入れるには、まず整理能力を高める必要があるのか。
と、思って改めて写真を見て気付いた。
写真の書斎の本たちは、本屋の紙製カバーをまとっていない。
だからレーベルごとに並べられた本の背表紙が映えている。
何の本があるのかも写真から見てとれる。
一方の私の本棚。
茶色や白のカバーがそれぞれの本の背表紙を覆っている。
本を開くまでその本が何の本かわからない。
本を読み返したいと思っても、行方不明なこともある。
古川日出男の掌編集『gift』を読み返したいのだけど、どこ行ったかな……
もしかして、この差?
読書人たちは書店カバーを貰わないのだろうか?
私は貧乏性なので、貰える物は貰っておけの精神でカバーを貰ってしまうのだけれど。
整然と並ぶ本の背表紙を見て、羨ましいと思った。
次、引っ越したら、ちゃんと本を整頓しようと思う。