読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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本が読めない。

 雨が降り、夏の暑さはあっという間に去っていった。わが田舎町の夏が終わった。

 本が読めない。

 先週まで一日一冊のペースで小説を読んでいたのだが、その読書の波がぴったりと止まってしまった。一日に10ページ程というスローペースで小説と、勉強の合間に選書・新書をぱらぱらと読んでいる。今週に入ってから、まだ一冊も読破していない。「夏の文庫特集」である今週号の週刊読書新聞も買うだけ買って、まだ目を通していない。
 そして今まで読んだ本についても、こうしてブログに書く気がしない。映画についても、ゴジラマレフィセントも見たのでネタには困らないのに。

 読書の波に乗れない自分が少しもどかしくもある。違和感がある。もちろん、趣味に没頭できないからといって困ることはない。むしろ先週のように読書の波に乗りまくっている方が、日常生活を疎かにしてしまい良くないなと思う。
 このようなときの対策は経験から十分に承知している。只管、読書の波が来るのを待つのだ。私の人生から、読書が切り離されることはないはずだ。少なくとも、まだ。

 いつか、本格的に読書から離れる時も来るだろうな、とも思う。知りたいこと、読みたいものだけが、指数関数的に増えていくが、読書速度が追いつかない。積読本が増え、私は老いる。「少年老い易く、学成り難し」。集中力が衰え、目が悪くなり、日常の雑事に追われ、俗世の些事に悩んでいるうちに、本を読まなくなるのだろう。
 でも、それは悪いことではない。
 生活に生きることが悪いことのわけがない。読書は、寝る前の十分間の楽しみになればよい。

 私は単に、幸せな時代と場所に生まれたのである。そして学生時代の一時、生活から離れたモラトリアムに浸っているのである。

 また雨が降って来た。夏が終わり、あとは寒くなるだけだ。きっと。