読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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2015年 本屋はじめ【読書日記】

今週のお題「年末年始の風景」〈今週の一枚〉


 ベッドを窓際に置いている。

 朝、目が覚め上半身を起こすと同時にカーテンを開ける。天気予報は見ないので、毎日の天気がその日起きてからのお楽しみになっている。晴れていると嬉しいし、天気が悪いと少し憂鬱な気分になる。

 今朝、カーテンを開けると、そこはひたすらに白かった。はじめは、晴れており眩しいのかなとも思ったが、そんなに世の中、甘くない。窓の外では雪が横向きに降っていた。酷い吹雪。大学行きたくないと思い、電気ストーブをつけ、ティファールでお湯を沸かし、再び布団に入る。枕元の文庫本も読む気がしなかった。二度目、三度目のアラームで再び布団から這い出す。外は相変わらずの悪天候。それでも少しはマシになった気がした。

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 気のせいだった。
 呼吸をするのも辛いほどの雪。我が田舎町は全国的に見れば雪国に属するが、雪国のなかでは雪は少ない地域である。こんなに悪天候なのは、年に一度あるかどうかぐらいじゃないだろうか。
 車に乗り込む。が、視界が悪い。100m先の信号が見えない。先行車のテールランプを辿りノロノロと進む。結局4kmの通学に40分程かかった。

 車中、ずっと考えていた。今日、この天気の中、本屋へ行くかどうか。本屋の近くで用事があり、そのついでに本屋へ行こうとずっと考えていたのだった。本屋には年末から行っていなかった。忙しすぎた。一昨日、作業がひと山越えたところだった。読みたい本はいっぱいあった。本屋特有の棚と棚の匂いを嗅ぎたかった。
 でも、出歩きたくない。
 

初本屋。


 本屋に行きたい欲は、吹雪に勝った。気がつけば、財布の中には一万円札と頂き物の図書カード1000円分が入っていた。

 本屋はいつものように私を迎えてくれた。物理的にも暖かかった。本棚のレイアウトは多少変わっていたが、そこまで大きな変化はないようだった。年末から欲しいと思っていた本たちが、相変わらず「買って買って」と呼んでいる。

 2014年のミステリ界ランキングを騒がしていた『その女アレックス』(ピエール・ルメートルとか。
 同世代の詩人の詩集『死んでしまう系のぼくらに』(最果タヒとか。
 
 他にも、いつもチェックしていたはずの文庫シリーズの中に面白そうな本を見つけてしまったり。町田康の詩集、ハルキ文庫から出てたのね。それから光文社古典新訳文庫の『三文オペラがやたら面白そうに見えた。開高健の『日本三文オペラは以前読んだが、本家のブレヒトは未読。いつか読みたい。
 それから今年の個人的な目標である「詩歌に親しむ」に向けての本も物色した。結構いろいろあるな、というのが感想。岩波ジュニア文庫の『詩のこころを読む』(茨木のり子が初心者にも優しそう。

 でも、結局、何も買わずに家を出た。何故か、これといった一冊が見つけられなかったのだ。
 読みたいか読みたくないかと言われればもちろん読みたい、だけど、欲しいか欲しくないかと言われたら微妙だな、というような感じ。購買意欲が刺激されない。
 おかしい。どうしたのだろう。なんだか盛り上がらない。いや、節約することができたと喜ぶべきことなのだろう。ベッドの下には、昨夜ネット書店から届いたばかりの文庫本があるし、図書館から借りてきた本もまだ目を通していない。本を買う必要性はどこにもないわけだ。
 特に欲しい本がないのなら、Rの参考書でも買おうかとも一瞬思ったけどやめた。
 
 だけれども気分が乗ってしまったときに、上記の本、特に町田康の詩集は買ってしまうんだろうなとも思う。結局、私の本棚が圧迫されるまでの時間が、少し延びたに過ぎないのだろう。
 
 次回、本屋に行く時は、ちゃんと本を買います!