読書録 地方生活の日々と読書

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amazarashiが好きだという話(と、好きな歌詞を少し紹介)

 最近、amazarashiというバンドにハマっている。

 これは自分のなかでは凄いことである。四半世紀近く生きてきて、特定の音楽グループを好きになるということは初めての経験だ。それまで自分には「興味を持つ」という最低限の音楽の才能もないものだと思っていた。が、どうやら今まで好きな音楽というものに出会っていなかっただけのようだ(そういや、映画『レ・ミゼラブル』にハマり、一日中サントラを聞いていた頃もあった)。

 で、amazarashi。知ったのはごく最近なので、長年ファンをやっている方からすれば単なる「にわか」で「今更」なのだけど、書きたいので書かせてほしい。

 amazarashiとの出会いは、『穴を掘っている』という曲のpvだった。


amazarashi『穴を掘っている』“Digging Holes” - YouTube


 「死にたい」と書かれたツイートを樹海で印刷していくだけ、という斬新な映像だった。気付いたら、繰り返し、繰り返し見ていた。メイキングも見た。何度も聞くうちに、歌詞が刺さって来た。題名からして『穴を掘っている』だ。穴、と聞いて、私は墓穴を想像した。普通じゃない、と思った。ネットで歌詞を調べた。

穴を掘っている あいつがとうとうしくじった
穴を掘っている これが はみ出し者の落とし穴

「絶望を連れてくるのは希望」

僕は僕を諦めたぜ 生まれてすぐさま諦めたぜ

 何がいい、というのを言葉にするのは難しい。でも、一気に好きになって、you tubeで他の曲を探し、TUTAYAでCDを借り、借りるだけじゃ飽き足らなくて購入した。大学に入ってから二回目のCD購入だった(1回目は『レ・ミゼラブル』サントラ)。ライブにも行ってみたい、と思った。曲を聞いただけでライブに行きたいと思ったのは、産まれてはじめての経験だった。

 自分の中のamazarashiブームはなかなか去らず、朝起きたら聞き、大学で作業中BGMとして聞き、夜寝る前に聞くという生活を送っている。
 個人的に好きな曲は『ラブソング』恋愛至上主義な社会に対する皮肉が聞いていて、作業中でも、歌詞を一字一字追うようにして聞いてしまう。


シグナルとシグナレス 始発電車 自殺 唄うたいと商業主義
愛こそ全て信じたまえ

愛されるだとか 愛するんだとか それ以前に僕ら 愛を買わなくちゃ
消費せよ 消費せよ

 いや、凄いと思いませんか。私は凄いと思いました。大好きです。この曲のpvはアニメ仕立てなのですが、これもなかなか凄い。救いがない世界。

 それから中二病心を引きずる人間としてジュブナイルも好き。これは分かりやすい応援歌でもある。


amazarashi - Juvenile - YouTube

自信過剰な少年少女 認められない不遇な才能
何者にもなれない怒りと それとは裏腹の自己嫌悪

消えてしまいたいのだ 消えてしまいたいのだ

 自分に才能があるとは全くもって思っていないが、ああ、分かるなあと思う歌詞。ちょっと痛いなとも思うけど、好きなものは好き。

 他にも『僕が死のうと思ったのは』(中島美嘉に楽曲提供している)や『つじつま合わせに生まれた僕ら』などが好き。これまた凄いタイトル。でもそれがいい、と思う。


『つじつま合わせに生まれた僕ら』の以下の歌詞、

喜怒哀楽をカテゴライズ 人に合わせて歌ができて
悲しい時はこの歌を 寂しい奴はあの歌を

誰もが転がる石なのに 皆が特別だと思うから
選ばれなかった少年は ナイフを握り締めて立ってた

心当たりはないだろうか。私は何故だか、このネットの世界を思い浮かべた。

 いや、ほんと、どの曲もいいです。独特の、しかし、心の底の不安を体現したかのような世界観。そこで生きていかないといけないという絶望から生まれる希望。聞けば聞くほど、好きになる。
 是非、歌詞カードを見て言葉を味わいながら聞いてください!