読書録 本読みの貪欲

アラサー本好きの日記です。本、旅行、文房具、犬、魚などが好き。

魚図鑑の魅力 『小学館の図鑑Z 日本魚類館 精密な写真と生地の写真と詳しい解説』

 魚好きだ、と、言っている割には、私の本棚には、いわゆる総説的な魚図鑑がなかった。なので小学館から大人向けの魚図鑑が出ると聞いたときには、1も2もなく予約した。小学館の図鑑、小さい頃は夢中で読んでいた。ちなみに友人の子供の1歳児も、小学館の図鑑NEOシリーズの魚図鑑が大好きで、「とと、とと(魚のこと)」と毎日のように読んでいるらしい。そう魚図鑑の面白さは1歳児にも伝わるのだ。

 予約の末に購入したのは『小学館の図鑑Z 日本魚類館 精密な写真と生地の写真と詳しい解説』である。編・監修は、中坊徹次先生。値段は6,900円。これを高いと見るか安いと見るか。
 一時期、同じ編・監修者の『日本産魚類検索 全種の同定』(4213種掲載)を買おうかと迷ったことがあるのだが、こちらは30,000円。しかも2冊組。それに比べるとだいぶ安い。検索図鑑は持っていても使いこなせないだろう、という、冷静な判断を下し結局購入はしなかった(しかしディスプレイように1組持っておきたい願望がある…)。

 さてこの本、図鑑といっても大版ではない。なんとA5サイズなのだ,しかしコンパクトとは言い難い。何せページ数は500ページ越え。文庫本などとは違い、ページの紙もしっかりしてるので、その分厚みがある。どのくらいだろう。少なくとも今、目の前の本棚にあった森博し作『有限と微小のパン(講談社文庫版)』よりは厚かった。
 そして中身はさすが大人向け。もちろん魚の写真もいっぱいあるが、それ以上に文章が多い。大体ページの上半分が魚の写真を占め、その下半分に魚の解説が載っている。食用魚も日食用魚も、海水魚も淡水魚もしっかりと載っており、帯によると全部で約1,400種ほど掲載されているらしい。写真だけではなく図版も充実しており眺めているだけでも楽しい。そして巻末には用語の解説と参考文献がガッツリとなっており、さすが大人向けだなと思った(参考文献のページだけで16ページある)。

 ところで、魚図鑑の一番良いところは、魚の解説文の最後に味の解説が載っていることである。食用、有用などと簡潔に書かれていることもあれば、有毒、猛毒といったことや、美味しい、煮付けに向くといった具体的なことが書いてあったりして、読むだけで想像力が膨らんでくる。
 なかには食用に特化した図鑑もあったりする(例えば、藤原昌高『美味しいマイナー魚介図鑑』。この本、大好き!マイナーじゃない魚図鑑も是非出していただきたい…!)。

 今夜の夕食は鯖のみりん干しであった。海の近くの、魚の直売所がある道の駅で買ったもので、マサバかゴマサバかは分からないがないが、多分タイセイヨウサバではないと思う。
 早速、図鑑でサバを引いてみる。マサバのところを、読むと、

焼き魚、煮魚、しめさばで食される。九州では刺身も食べるが、三陸から関東ではアニサキスの寄生よって生で食べない。北陸の塩さばやへしこが知られる。旬は秋〜冬。

 としっかりと書いてある。そう、こういう記述!これが好きで私は魚図鑑を読むのだ。幼い頃から他の動物図鑑や恐竜時間にはない魅力を、魚図鑑に感じていた。
ただの食いしん坊な子供だっただけかもしれない。
 しかし、まぁ、よおかげで魚を楽しめる大人になって良かった、ということで。

 最近、魚料理を食べるたびにこの図鑑をひいている。人生を充実させるには、こういうひとときが大事なのかもしれない。