読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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鍵忘れて部屋に入れないから『友罪』みたらすごかった

鍵を忘れるというベタな失敗により、自宅から閉め出されている。家人は日帰り出張で、帰りは22時を回るそうだ。どうしようもないので、仕事帰りに映画館に寄った。
とりあえず、時間を潰すことが目的なので、上演時間と終了時間をにらめっこしながら観る映画を決める。立ち寄った映画館で上映していた映画のうち、上映時間だけなら『レディプレーヤー1』が一番長かったのだが、前に鑑賞済み。めちゃくちゃ面白かったので、もう一回観るのも有りかとは思ったのだけど、せっかくの機会だしと、普段はあまり観ない邦画を観ることにした。それで『友罪』。上映開始まで15分ほどと待たなくて良かったのも決め手だ。

そして鑑賞。

すごかった。
作品世界に圧倒された。過去(過去の犯罪や罪悪感)とどう向き合うか、友人や身内の過去とどう向き合うか、というのがテーマで、大まかなストーリー自体は、割と先が読める感じでもあるのだが、それでも、気づいたら作品世界に飲み込まれていた。シリアスなシーン続きで、笑えるようなシーンは皆無。中盤あたりで、この映画、すっごいシリアス!と思ったら、そのままラストまで、シリアスで厳しいストーリーが続いていく。人間が信じられなくなる。そしてラストは多少の救いはあるものの、決してハッピーエンドではない。

さて。私がどのくらい映画世界に圧倒されたかということは、上記の何も具体性のない印象の羅列からなんとなく伝われば嬉しい。が、ここに圧倒されたエピソードを重ねようと思う。

映画を観終わっても、まだ部屋に入ることができる時間にはなっていなかった。
映画館に併設されている本屋に行った。自分を甘やかし、本でも買おうかと思ったのだ。買うなら小説かなと思い、文庫本コーナーに向かった。しかし、驚くべきことにピンとくる本がないのだ。先程観たばかりの映画の余韻が、本選びを阻害する。いつもはあんなにも輝いて見える本屋さんの棚が色あせている。
あえて読みたい本を挙げるとすれば、一昨日買って読みかけの『未必のマクベス』か、今朝キンドルでワンクリック購入してしまった『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』…どちらも私の入れない自宅の部屋の中にある。

結局、何も買わずに本屋を出た。空腹を思い出した。開いていたサイゼリアに入る。
そして、イカとエビのドリアを食べながら、この文章を書いている。瑛太の鈴木君役(中学時代に殺人歴有り)がすごくよかった。言葉の出にくそうな感じの話し方が良かった。文章がまとまらない。ああ、映画はすごいな。

家にはまだ入れない。レイトショーでもう1本映画観ようかな…