読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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梅田 蔦谷書店へ行ってきました!

 大阪へ行ってきた。映画を見に行ったのだが、もちろん片道1500円出して都会へ行ったからには、都会の本屋へ行かねばなるまい。
 ということで、大阪駅の蔦谷書店へ行ってきました。
 
 いやあ、すごい人でした。そしてかなり変わった本棚の配列でとても刺激的だった。本屋といえば直線的に並べられた本棚ですが、この本屋は曲線的に、フロアをぐるっと回るように本棚が並べられている。一風変わった本も堂々と並べられており、思わず手が伸びる。
 蔵書数は少し少なめかな? 実は北の大地の蔦谷書店も行ったことがあるのだが、そこよりも全体的に本の数は少ないように思った。
その代わり本屋以外の店舗(美容院やカメラ屋さん)も本棚のなかに自然に溶け込んでおり、なかなか素敵な空間だった。
 そして文房具好きにはたまらない、万年筆のディスプレイも。自分の持っている種類の万年筆を棚に見つけちょっと嬉しかった。万年筆以外にも、気の利いた文房具類がちょこちょこ置いてありとっても楽しい。
 それに蔵書数が少ないといっても、たぶん近所の図書館の開架棚よりは多い・・・というか本屋に負けるな図書館!

本を買いたい。

 吟味に吟味を重ね、文庫本を二冊ほど購入した。ハルキ文庫の『吉増剛造詩集』吉田健一の『埋れ木』(河出文庫)。前から読みたいと思っていた詩人の詩集と、リアル本屋で売っているのをはじめてみた吉田健一の一冊。両方とも図書館の開架棚にはない、はず。
 本当は中上健次『地の果て至上の時』(講談社文芸文庫)も欲しかったのだけれども断念。昨年、『岬』『枯木灘』と紀州サーガを読んできた人間としては、最終章の『地の果て至上の時』で秋幸がどうなるのかものすごく気になる。しかし最後の一冊は、講談社文芸文庫から出版されており、1900円とお高い(ちなみに『岬』は文春文庫から、『枯木灘』は河出文庫から出版されており700円くらい)。ついついお金を惜しんでしまった。中上健次なら、近所の図書館にもあるはず、だし・・・・・・

 お金を気にせず本を買える大人になりたいな、と思う。
 時間を気にせず本を読める人間になりたいな、と思う。

 最近、その些細な望みはとてつもなく達成が難しいものであることに気づいた。
 世間体なんぞ気にせず、引きこもって本ばかり読んでいたいのだけれども。その一方で、普通に生きて普通に死にたいという思いも強く。なかなか割り切ることができない。
 結局、給料日までの日数を数え、貯金額と借金の返済額を天秤に乗せ、光熱費を気にしつつ本を読んでいくしかない人生なのだろうなと思う。

埋れ木 (河出文庫)
 『埋れ木』。寝る前にちょっとずつ読んでる。今まで読んできた吉田健一の本のなかで、今のところ一番好き。意外と読みやすくてびっくり。