読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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読書ブログを5年続けてみた感想

今週のお題「読書の秋」

 先日、2018年11月18日に、このブログ『読書録 本読みの貪欲』は5周年を迎えた。長かったような短かったような5年間だった。

 飽きっぽさには定評がある自分である。ふと思い立って始めたブログが、ここまで継続できるとは。いや、そもそも継続していると言って良いのかどうか。更新は不定期だし、特に理由もなく半年近く更新をしなかったこともある。それでも今も更新しているのは、何だかんだ言っても書くことが好きだからであり、趣味である読書の喜びをお裾分けしたいからである。

 本が好きだった。というよりも、今までの人生で読書くらいしか継続してきたものがなかった。自分の人生から読書をとったら、いったい何が残るのだろう。子供の頃から、ずっと一人で本を読んできた。しかしある時、いつものように面白い本に出会った際に、「この本、面白いよ」と誰かに伝えたくなった。残念ながら当時の私には、読書友達がいなかった。だから、ブログをつくった。
 「この本、面白いよ」と言うのは、想像以上に難しかった。思い返してみれば、読書感想文も上手く書けた試しがなかったではないか。本を読んだ時の言葉にならないような感動を、どうにかこうにか言葉にする。面白い本というのは、往々にして、一言では言い表せないほどの感動を与えてくれる。だから面白く読んだ本ほど、ブログ記事に落とし込むのは難しい。書いては消してを繰り返し、結局記事をあげられないということも、未だに多々ある。今年読んで一番面白かった小説は、アリステア・マクリーン女王陛下のユリシーズ号だが、結局感想文を書いていない。他にも、ずっと読みたいと思っていた島尾敏雄『死の棘』とその妻の評伝である『狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ』(梯久美子著)を併せて読んで、人間の業の深さに呆然としたのだけれども、そのことも自分の言葉にできないでいる。
 継続は力なりというが、残念ながら文章力は上がらないし、言いたいことも上手く書けずに、例えばこの文章を書くにも、四苦八苦している。

 5年で書いた記事は300本ほどである。俗にいう「ブロガー」という人たちは、半年も経たずに書いてしまうだろう量である。PV数も大したことはないし、収益化なんて夢のまた夢であり、未だに無料サービスを使い続けている。
 こんなブログでも、5年も続ければ蓄積されてきたものがある。
 過去の私が書いてきた記事である。
 自分の過去記事を読み返すのは面白い。過去に読んできた本、思っていたこと、懐かしい日々。未熟な文章に、未熟な思考である。消してしまいたいと思うような記事もある。しかし、確かに過去記事には、ダメ人間なりに頑張って生きてきた過去の自分が、そして、そんな自分を人生の折々で救ってきた本たちがいる。私のブログの一番の読者は私であるし、これからもそうだろう。

 
 「この本、面白いよ」という気持ちを誰かに伝えたい。
 私にとっての読書は、単なる現実逃避じゃないか。活字中毒とは、ただの活字依存なのではないか、などと自省しないこともないのだけれど、読書という現実逃避に救われてきたことも確かである。もちろん世の中には、面白い小説だけではなく、恐ろしい過去の歴史を書き記した本、淡々とした専門書、嘘八百としか思えないスピリチュアル本、様々な本がある。いろいろな本があり、いろいろな読書がある。快楽よりも苦痛と言い表したくなるような読書もあるだろう。眠くなるだけの読書もあるだろう。しかし、それでもやはり、読書は面白い。本の中には今の私がまだ知らない世界が広がっている。読書の面白さというのは、自分の世界が広がる面白さである。私はまだまだ自分の知らない世界を、知らない景色を見たいと思う。


 そしてこんな未熟なブログを読んでくださっている読者の方がいる。記事につけて頂いた小さなスターにどれほど勇気づけられたか。
 これからも私は本を読み、「この本、面白いよ」というブログ記事を書いていきたいと思っている。これからもどうぞよろしくお願いいたします。


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