【第1回】短編小説の集いの一言感想文。テーマA「ハロウィン・ホラー」編
【第1回】短編小説の集いの投稿作品のうち、テーマAの分を読ませて頂きました。「ハロウィン」と一言で言っても様々な作品があり楽しかったです。
せっかく読んだので感想を書こうと思い筆を執った(メモ帳を立ちあげた)のですが、なかなかうまい言葉が見つかりませんでした。作者の皆様には申し訳ないのですが、小学生並みのクオリティーの感想です。というかもはや感想ではなくて私的メモです、すみません。
(順は短編小説の集い公式ブログ「のべらっくす」の「投稿作品一覧」での順番に準じました)
『おばあちゃんのかぼちゃ』
サクッと短いホラー。出てくる道具立てはハロウィンということで西洋的ですが、作品の怖さの質はどちらかといえば日本的な気がしました。怪談的、都市伝説的。
『取り繕い』
「不正は正さなければならない」というセリフが象徴的な、サークル内恋愛戦争のお話。ホラーではないのに、どろどろしており良いと思います。ハロウィン要素は少なめ。筋が込み入っており、5000字制限なしにして、長くしたらもっと面白くなるのではないかと思いました。
『天使の領分』
文字数が多いが読みやすい。病院+ハロウィンという組み合わせ。ハロウィンのいい話なのか、それともホラーなのかとドキドキしながら読みました。いい話で終わらず、しっかり怖くて良かったです。それからタイトルとセリフがリンクしておりカッコいいです。
『トリック・オア・トリート!』
子ども+ハロウィン。内気な少年たちのビルディングストーリー。オチ、というか飛んだところにびっくりしました。ジャムたちの世界と人間界との関係性はどうなってるんだろうと思いながら再読しました。
『ハロウィンだったから』
恋愛もの。ハロウィンでホラー要素なし。スマホ小説かな。絵文字、ラインスタンプ再現といったものもあり。著作権に抵触しなければ、小説内にスタンプそれ自体を載せたりするのも面白いかもなーとか思いました(実際のスマホ小説を読んだことがないので、もしかしたら既に取り入れられている表現方法かもしれませんが)。
『ダグラ』
ハロウィンではなく、ホラーで書かれた作品。「ホラー」と言うよりも「怪奇小説」な味わいが素敵。カルキ水さんは「ホラー」「写真」それぞれのテーマで作品を投稿されています。私は『ダグラ』の方が好きでした。語り口や雰囲気が独特で、今回の「【第1回】短編小説の集い」で一番印象深い作品でした。
『動かない食卓』
ホラーなハロウィン。ハロウィン+子どもという組み合わせの作品では子ども視点の作品を良く見るのですが、本作は子どもを迎え入れる老人たちの視点から物語が始まっており、面白いと思いました。オチはちょっと考えさせられます。怖いです。
『ハロウィンのささやかな事件』
5000字ミステリ。5000字で探偵もの(謎解きもの)を書こうとは思わなかったので、とても驚きました。テーマB「写真」の要素も入っている意欲作。いろいろ試してみるべきですね。百合な結末は嫌いじゃないです。
『鬼火』
読みやすいです。ハロウィン。不老不死という人類の夢が内包する悲しさが端的に伝わってきて良かったと思います。主人公の女の能力の設定(特に材料なしでカップケーキが作れるという能力)も面白かったです。2300字とコンパクトにまとまっていますが、もっと長くても読みたいです。
『小さな黒猫さん』
児童文学風の掌編。セリフのリズム感が良い。そのまま劇になりそうです。また「トリック・オア・トリート」という輸入された慣用句ではなく、「イタズラか! お菓子か!」という和訳(という表現が合っているのか分かりませんが)を使っており、細かいところまで気を使って書かれているのだなと思いました。
全体感想
自分自身でも「ハロウィン」テーマで何か書けばよかったな、という後悔がまずあります。皆さんの作品を読み、創作意欲が刺激されました。お前の書いたツマラナイ小説なんて読みたくない、という声も聞こえてきそうですが。自分だったらどのように話を広げるかな、こんな設定だったら面白いかなとか思いながら読んでいました。
ちなみに思いついたのは、「お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ」と言って若い女性の家に押し入った中年男性の話。「お菓子をくれなかったから悪戯した」と言い張るのを供述書風(もしくは『駈込み訴え』風)にまとめる、というもの。なんか普通だな。
それから今回のテーマが「ハロウィン or/and ホラー」だったので、ホラーの苦手な私は、どちらのテーマで来るのだろうか、ホラー要素の強さはどのくらいなのだろうかと思いながら読みました。ホラー要素が後半に来る作品が多く、心臓に悪い。怖さというのもいろいろあるんだな、と改めて思えたのも収穫でした。
出来ればテーマB「写真」の感想も書きたいと思います。いつになるか分かりませんがよろしくお願いします。
最後に主催のぜろすけ様、良い機会をありがとうございました!