読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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2013-01-01から1年間の記事一覧

2013年に読んだ本(約250冊)からBest5を紹介してみる

2013年が終わる。 読書ノートを見返してみる。 この一年で読んだ本たちの名前を眺める。 印象深い名前もあれば、初めて見たような本もある。 これらの本は私に何を与えてくれたのだろう。 本を読む前後で私の何が変わったのだろう。そんなに変わっていない気…

ジョン・ハートの処女作『キングの死』を読んでみた。

今年は正月らしいことは何もしない、と決意した。 お世話になった方への挨拶と年賀状ぐらいしかしない。 しかし寝正月とも揶揄される年末年始の怠惰なる雰囲気にだけは便乗しようではないか。 本年の図書館納めも無事終えた。 十分な本と、読書のお供の洋酒…

ミステリ選びのセンスの私的衰退(2013年末)

何気なく図書館へ寄ったら、年末年始の休みに入っていた。 よくよく考えれば師走の27日である。 立派な年末。あと4日で大晦日。大学にも人が少ない気がしなくもない。 本棚の前でどの本を読めば良いのか分からない私。 このままでは年末年始に読む本がない。…

変な夢を見たので、映画『シャッターアイランド』を観た。

不思議な夢を見た。 ミステリチック(≠ミステリアス)な夢である。 教授風の年取った男と白衣を着た若い女。彼らは連続殺人犯。 男が指示を出し、女が実行する。 第一の殺人の被害者は若い女。 犯人女と被害者女は恋愛関係にある。 二人は暗い個室で抱きあって…

クリスマスに読んだ本。三浦綾子 『母』

メリークリスマス。と、挨拶代わりに言ってみる。 さて2013年のクリスマスである。 私は季節のイベントなどを気にして本を選ぶ方だ。 例えば秋の夜長に『ドグラ・マグラ』など。 だからと言って、あからさまにクリスマスの本や映画を観賞するのもちょっと気…

「この本があれば人生だいたい大丈夫。」 BRUTUS 2014 1/1・15合併号

いや、もうほんと、このキャッチコピーはずるい。 買うしかないではないか『BRUTUS 2014 1/1・15合併号』。 表紙のコピーは続く。 「小説、伝記、絵本、詩集、写真集…ココロが軽くなる257冊」 今号のBRUTUS、本特集2014である。 内容紹介。 まずメインの特集…

本屋に向かって、車が壊れた。

昨日の夕方、町はずれにある大型書店に行こうとした。 何冊か購入する心づもりであった。 調子に乗って5千円分ぐらい買っても良いかなとも思っていた。 もうドーパミン出まくりである。用事を片づけ、意気揚々と車に乗り込んだ。 道中、スーパーのATMに寄っ…

「無頼派の夜」に浸る 織田作之助『夫婦善哉』

織田作之助、夫婦善哉の名前は以前から知っていた。 たぶん、高校の時の「国語便覧」にでも載っていたのだろう。 いつか読んでみたいと思っていたが、手に取ることもなく過ぎてしまった。 無頼派の夜に浸る 『無頼派作家の夜』、とは粋なタイトルをつけたも…

私の中のダメ人間と読書の波

一昨日あたりから気づいてはいたが、どうやらダメ人間モードに突入してしまった。 だからなんだという話である。 以下はただの愚痴かもしれない。申し訳ない。が、ダメ人間モードを早期に脱出するためにも書いてみる。 そもそもダメ人間モードというのは何か…

『あなたの中の異常心理』岡田尊司

うまくまとめられる気がしない。 読んでいる本は岡田尊司の『あなたの中の異常心理』 文章が体に入ってこない。 他の本と同時並行で読んでいるため集中できていないからか、それとも内容に疑問を覚えるからか。 メモを取りながら読み進めないと、何が大事な…

出先で本を買う 『幸福な生活』百田尚樹

小説『モンスター』 百田尚樹 - 読書録 用事があり都市に出た。 用事が終わり、高速バス待ちの30分の間に駅構内の本屋に寄った。 帰りの車内で読む本を購入するためだ。 迷いに迷って、バスに遅れてしまうという不安に後押しされた末、ようやく『幸福な生活…

夢のない男は良き父になろうとした ロバート・デニーロ監督『みんな元気』

お父さんは悲しい。 元会社人間、自らの家庭の一面しか知らなかった男の悲哀。 親の心子知らずとは良く言うが、この映画は、子の心親知らずな父親と、親の心を十二分に慮った子どもたちによる物語である。 ロバート・デニーロ監督の『みんな元気』 1990年に…

『人生問題集』 春日武彦 穂村弘

謎の体調不良 起きた時から頭が重かった。 痛いとまではいかない。 眉間のあたりが締めつけられたように重い。 瞼の周りも痛い。 何も見たくない。灯りがやけに眩しい。 十分に眠ったはずなのに生あくびが出る。 体が冷たく、重い。 辛かった。 実験をさっさ…

今年は何冊読んだのか? 数えてみるのも一興か。

今年もあとわずか、20日ばかりを数えるほどとなった。 このブログ『読書録』はその名の通り、読書の記録、特に感想を言語化することを目的としている。 ブログを書き始めて3週間程だが、感想の書きにくい本や映画がことのほかたくさんあることに気がついた。…

本当は好きなものは好きと言いきりたい 『ショーシャンクの空に』

好きな映画は何かと問われたときに、俗に言う「名作」の名をあげるのは恥ずかしい。単なる自意識過剰だが。 しかしここは匿名ブログなのでこの問いに堂々と応えようと思う。 私は『ショーシャンクの空に』が大好きである。 映画鑑賞歴も短く大量の映画を見た…

暇と退屈の大学生活? 國分功一郎『暇と退屈の倫理学』

一応学生なので、一週間ほど調査に出かけていた。 想像以上に忙しい日程であり旅先の古本屋にも寄れなかったが、調査にご協力いただいた方々から貴重な助言やお話を伺う機会に恵まれ、調査自体も無事終えることができ、大変有意義な一週間であった。自らの専…

本への書きこみはアナログな情緒? 『論語』を古本屋で買った話

目の前に本がある。 本の中で最も価値があるものは、その中身、特定の形をしたインクの羅列である。 さらに言えば、その羅列が表わす意味である。 と、一般的には考えられている。 要は中身、ソフトに価値があり、ハードには価値がない、と。 そして純粋な中…

人類哲学は人類を救えるか。『人類哲学序説』 梅原猛

哲学と思索と宗教と人生論の違いが良く分からない。 一応理系の人間なので、科学とは何かということは習ったが、哲学の諸学派の科学的な正当性というものは良く分からない。が、私のような趣味としての読書や思索のまねごとには関係ない。 そのため私は文字…

今の時代は失い続けるしかない。『袋小路の休日』小林信彦 講談社文芸文庫

小林信彦の連作短編集。雑文書きの宏を語り部にした七編が収められている。 『隅の老人』『北の青年』『根岸映画館』『路面電車』『自由業者』『ホテル・ピカデリー』『街』 短編を通じ、主人公宏は何かを成し遂げるわけではない。 人生という旅路においてす…

復讐と『未来へ生きる君たちへ』送るのメッセージの間

『未来を生きる君たちへ』という映画を観た。デンマークを舞台にしたデンマークの映画である。私にとっては、初のデンマーク映画。 スサンネ・ビア監督による2010年の映画である。 ちなみにアカデミー賞外国語映画賞受賞作品。 原題(デンマーク語?)の意は「…

『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』 保坂和志 

保坂和志のエッセイである。エッセイにジャンルがあるとすれば、人生論思索系である。 題名に惹かれて手にとった。「三十歳まで『なんか』」である。なかなかに刺激的だ。そして懐かしい、共感。 私にも夭折願望というものがあった。 惜しまれつつ死にたい、…

いくら恋しても人の理解には至らない 大岡昇平『花影』

感想が書きにくい小説である。 大岡昇平『花影』講談社文芸文庫。 ちなみに講談社文芸文庫は大好きです。 ネタばれ注意。 主人公葉子は40歳手前の元ホステス。 16の時から男と共に生きてきた女である。 甲斐性なしの愛人から、彼女が別れた時から物語は始ま…

読書欲の肯定 『本を読んだら、自分を読め』小飼弾

読んでいて気持ちの良い本、というものがある。 大抵、自分の価値観や意見を肯定してくれるような本である。 本書『本を読んだら、自分を読め』は読書好きな読者にとって、とても気持ちのよい本だ。 なぜなら、自らの読書欲を徹底的に肯定してくれるからだ。…

本屋で目が覚めた話

目が覚めるような、という形容がある。 昨夜、帰宅途中に本屋へ寄った。実用書を買うためだ。 よく行く近所の本屋である。棚の位置は把握している。だからといって目的の棚へ一目散というわけではない。 新刊棚から文庫棚を巡り、ハードカバーの棚を覗く。い…

確かに斬新な設定の映画でした クレイブ・ギレスピー監督『ラースとその彼女』

ラースの彼女ビアンカはラブドール。 コメディーかと思いきや真面目なビルディング・ストーリー。 もてない男が自棄でラブドールを彼女にした、という話ではない。なにしろラースは町中の人々から愛されている。しかし大人になりきれず、コミュニケーション…

死にたくないけど… トルストイ『イワン・リッチの死』

題名の通り、イワン・イリッチという名の主人公が生まれてから死ぬまで、特にちょっとした原因が死病となり、身体的・精神的な苦痛を経験しつくす過程を記した物語である。 物語はイワンの葬儀の場面から始まる。そこでイワンの妻により、主人公イワンは苦し…

若松孝二監督『千年の愉楽』 中山健次原作

だいぶ前の話だが、若松孝二監督の遺作『千年の愉楽』を観た。 海辺の路地を舞台に、産婆の主人公と、彼女のとりあげた男らの生き様が淡々とした描写によって炙り出されていく。男たちはその体に流れる女狂いの血にあがらい、もがきながら、何かを求めるよう…

『出世をしない秘訣 でくのぼう考』 ジャン=ポール・ラクロワ

ブログ第1冊目。 さて、出世をしない秘訣。 はい、皮肉。 初めて本書が日本で出版されてから50年以上が過ぎている。 しかしこの本は現代を生きる私たちを今を笑い続けている。社会は何も変わっていないのか。 「本書は、出世が待ち構えている人びと――すなわ…

はじめまして

ブログ始めました。 読書録をつけてみようかと思います。 ネットをはじめ現代文明に疎いので失礼があるかもしれませんが、温かく見守っていただけると幸いです。