読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

非現実系掌編集『非常出口の音楽』(古川日出男著)【読書感想】

『非常出口の音楽』という掌編集を読んだ。著者は古川日出男さん。古川日出男さんの掌編集といえば『gift』である。あとがきにも書いてあるが、本書は『gift Ⅱ』ともいえるような一冊である。 古川日出男さんの掌編、ショートショートは独特だ。私の中でショ…

『刺青』谷崎潤一郎著【読書感想】

先週末に読了したアメリカ発の恋愛小説『キャロル』(パトリシア・ハイスミス著)の反動で、昔の日本の恋愛小説を読みたくなった。そこで出てきた作家の名前が谷崎潤一郎。だいぶ前に『卍』の読書感想をブログにあげたことがある。調べてみると、多くの作品が…

至高の百合恋愛小説『キャロル』パトリシア・ハイスミス【読書感想】

パトリシア・ハイスミスの『キャロル』を読了した。これがすごかった。直球の恋愛小説だった。 本書は1951年、今から70年近くも前にアメリカにて出版された女性同士の恋愛をテーマにした長編小説である。2015年にトッド・ヘインズ監督により映画化もされてい…

『少女奇譚 あたしたちは無敵』(朝倉かすみ著)【読書感想】

パトリシア・ハイスミスの『キャロル』を読んでいる。 ご存じ女性同士の恋愛を描いた切ない物語なのだが、結構な序盤から悲劇の予感が満ち満ちていて辛くなってしまい(だって、主人公である19歳のテレーズのキャロルに対する純度100%の恋愛感情が、擦れた…

『朗読演奏実験空間”新言語秩序”』amazarashi

ディストピアものの物語が好きだ。ディストピア世界は、本や映画、あるいはアニメなどで数多く描かれてきた。それをライブで表現したアーティストがいる。私の大好きなバンド『amazarashi』である。 『amazarashi』は2020年6月9日に、活動10周年を迎えた。10…

『浮遊霊ブラジル』津村記久子著【読書感想】

世界には物語があふれている。読みたい本は尽きることがない。過去の名作はいくらでもあるし、毎月のようにベストセラーは生まれ続ける。それらをすべて読むことは不可能である。私は本が好きだが、別に速読家ではないし、すべての時間を読書に費やせるわけ…

【日記】30歳になってしまった。

タイトル通り。先日、30歳になってしまった。「なってしまった」と書いているが、このように強調するほど、感慨は深くない。誕生日はただの日常として過ぎていった。お祝いの言葉はもらったが、プレゼントをもらうわけでも、ケーキを食べたわけでもない。別…