読書録 本読みの貪欲

地方在住アラサー本好きの読書録。海外文学、文房具に犬と魚が好き。

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読んだ本

好きなものがない人生 『ジャイロモノレール』森博嗣【読書感想】

森博嗣の新書を2冊続けて読んだ。趣味的な夢の効用を解く『夢の叶え方を知っていますか?』と2018年の新刊『ジャイロモノレール』の2冊である。本のテーマとしては2冊とも通底しており、本当に自分の好きなことをしよう、ということである。 本当に好きなこ…

家電の断捨離 稲垣えみ子『寂しい生活』【読書感想】

稲垣えみ子著『寂しい生活』というエッセイを読んだ。著者の本を読むのは2作目で、1作目は今年のはじめに読んだ『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』である。家電なし生活を送る著者の食生活についてのエッセイであり、著者の軽妙な語り口に乗…

図書臨時増刊2018『はじめての新書』

出版前から気になっていた冊子をようやく手に入れることができた。岩波書店のPR誌である『図書』の臨時増刊号『はじめての新書』である。岩波新書創刊80年を記念して作られたA5サイズの小さな冊子である。インターネットを通してその存在は知っていたが、地…

ディストピア小説を読む 『侍女の物語』マーガレット・アトウッド【読書感想】

ディストピア小説を読みたい。夏の終わりにふと思った。それから二ヶ月。ようやく一冊を読み終えた。カナダ人女性作家マーガレット・アトウッドによる『侍女の物語』。 初期のギレアデ政権時代に「侍女」として生きた一人の女性が残したテープを文書化したも…

村田沙耶香『消滅世界』【読書感想】

村田沙耶香著『消滅世界』を読んだ。何が消滅した世界の小説なのか。帯にはこうある。 世界から家族、セックス、結婚…が消える 舞台は人工授精技術が進み、セックスではなく人工授精技術で子供を生むことが普通になった、パラレルワールドな日本(近未来の日…

米澤穂信『満願』【読書感想】

ある日、米澤穂信『満願』を原作とするドラマの宣伝を見た。そういえばこの本を持っていたな、長編ミステリかと思っていたが短編集だったのか、と思った。せっかくなので積読山から単行本を探し出し、開いてみる。6つの短編が収められており、ドラマ化した…

国分功一郎『暇と退屈の倫理学』を再々読中【読書日記】

国分功一郎『暇と退屈の倫理学』を再々読している。はじめて読んだのは、発売されてすぐの頃。本書は話題となっており、新聞の書評等にも取り上げられ、書店でも平台で並べられていたように思う。流行に流されやすい私は、「倫理学」という言葉の重々しさに…

【読書感想】はじめてのスパイ小説 ジョン・ル・カレ『寒い国から帰ってきたスパイ』

ある日本屋へ行くと、文庫本コーナーに「ハヤカワ文庫冒険スパイ小説フェア」なる棚ができていた。外交ジャーナリストであり、かつ作家でもある手嶋龍一氏が選書した冒険スパイ小説たちが並んでいる。黄色の帯が、暗い表紙絵のスパイ小説たちを鮮やかに彩っ…

【読書感想】小池昌代編『恋愛詩集』 恋愛詩を超えた恋愛詩たちをよむ

大好きな詩集、小池昌代編『通勤電車で読む詩集』の続編、同編者による現代詩のアンソロジー『恋愛詩集』を買ったのは一昨年の夏の終わりだったと思う。そしてそれは予想通り、私の読書の歴史の中の2016年を代表する一冊となった。 買ってから約二年がたった…

トルストイ『戦争と平和』が面白い!5/6巻読破!【読書感想】

昨年から、岩波文庫の新訳でトルストイの『戦争と平和』を読んでいる。途中で長い休憩を挟みながらも、ついに5巻目。読み出すとやはり面白い。4日ほどで文庫1冊を読んでしまった。物語が進めば進むほど面白くなってきた。 戦争も恋愛もついに佳境。登場人物…

平日、プール、読書。村上春樹訳『高い窓』レイモンド・チャンドラー【読書感想】

暑い。この1週間で急に湿度が上がり、一気に夏らしくなった。気がつけば6月が、2018年の半分が過ぎた。先の金曜日、休日出勤の代休だった。ぽっかりと空いた平日に何をしようか。そうだ、プールに行こう。あまりの暑さ、蒸し暑さに、水浴びできたら気持ちい…

#挫折本を読み通した!『族長の秋』ガルシア=マルケス【読書感想】

ゴールデンウィーク頃だろうか。ツイッター上に「#挫折本」なるハッシュタグのついたツイートを見かけた。読むことを挫折してきた本を告白し合おう、という趣旨のハッシュタグであり、世紀の名作に挫折した人間は私だけではないことがよくわかるタグである。…

森博嗣『私たちは生きているのか?』読了。【読書感想】

最近、森博嗣のWシリーズを履修している。2018年も半分が終わろうとしているが、今年の読書目標「SFを読む」が、ぜんぜん達成出来ていないので、読みやすいしいずれは読むことになると思われる森博嗣の講談社タイガ文庫を、梅雨の合間の晴れた日曜日に引きこ…

魚図鑑の魅力 『小学館の図鑑Z 日本魚類館 精密な写真と生地の写真と詳しい解説』【読書感想】

魚好きだ、と、言っている割には、私の本棚には、いわゆる総説的な魚図鑑がなかった。なので小学館から大人向けの魚図鑑が出ると聞いたときには、1も2もなく予約した。小学館の図鑑、小さい頃は夢中で読んでいた。ちなみに友人の子供の1歳児も、小学館の図鑑…

小説のための小説『1000の小説とバックベアード』佐藤友哉【読書感想】

小説をテーマにした小説を読んだ。佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』。 著者、佐藤友哉の本を読むのは初めてだったが、これが面白かった。一気読み。昨日は台風が来るとのことで、引きこもって本を読んでいたのだが、おかげで退屈することなく一日を過…

私は幸せなのか。アラン『幸福論』【読書と人生】

入籍当日。遠距離の婚約者に会うため、バスと電車を乗り継ぐ中、アラン『幸福論』をパラパラと読んでいた。 プロポ(哲学短章)というそれぞれ独立した小編が積み重なってできた本書は、どこからでも読めて、移動中に少しずつ読むのにはもってこいだ。岩波文庫…

週末読んだ本【読書日記】

土曜日。久しぶりに一日中本を読んでいた。 このごろでは滅多になくなってしまったことだ。 記念に、というわけでもないが、今週末に読んだ本を記録しておこうと思う。 『ずっとお城で暮らしてる』シャーリー・ジャクスン 桜庭一樹のエッセイで紹介されてい…

自分に足りていない能力について。【読書日記】

森博嗣さんの新書を立て続けに読んだ。 2003年初版ながら最近も新聞広告に載っていた『「やりがいのある仕事」という幻想』と2017年1月初版の『夢の叶え方知っていますか』という朝日新書である。 自分には「やりがい」も「夢」もないんだけど、と軽く絶望し…

私=人間=人形? 森博嗣『赤目姫の潮解』100年シリーズ最終巻!【読書感想】

森博嗣の100年シリーズに最終巻が出ていると知ったのは、恥ずかしながらつい最近のことだった。毎週のように図書館に通い、毎週のように森ミステリを借りていた中学生の頃が懐かしい。 最終巻は、もうとっくに文庫化もされており、本屋にも図書館にも並んで…

読書疲れの日曜日【読書日記】

特に予定もなかったので本を読んで土日を過ごした。 一人暮らしであることをいいことに、土曜日は布団を敷きっぱなし、パジャマも着っぱなし。 本を読んでは、寝落ちして、再び、本を読んで、寝て、食べて。 そんなこんなで日曜日のお昼過ぎ。 さすがに着替…

料理研究家の研究。阿古真理『小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代』【読書感想】

どちらかといえば料理は好きだ。 だけど料理の本を読んだり、自炊関係のブログやテレビの料理番組を眺めるはもっと好きだ。 レシピ本を見ながら料理をすることよりも、ただただレシピ本を眺めていることの方が多い。 残業帰りに半額総菜やらインスタント食品…

恋愛小説じゃないけど。『告白』。町田康【読書感想】

日曜日。 平日は毎日のように、次の休みの日こそ遊びに行こうと思っているのに、いざ休日を迎えると腰が重い。 都会の本屋へ行きたいなと思うのだけど、まあ、図書館から借りた本も、キンドルには読み返したいシリーズ物も、部屋の片隅には積読山もあるし、…

愛は金では買えない。それが親子であっても。『ゴリオ爺さん』バルザック

バルザックの『ゴリオ爺さん』を読んだ。パリの社交界での成功を夢見る貧しい学生ラスティニャック。 彼の住む安下宿には、一代で財を成した裕福な商人であったゴリオ爺さんがいた。 ゴリオ爺さんが貧乏生活を送る羽目になったのは、美しい二人の娘のせいで…

『サピエンス全史』、読書中。年末年始に読んだ本

一年が始まる。 自分でも驚くほど、仕事に行きたくない。 気がつけば「仕事行きたくない 死にたい」だとか「仕事行きたくない どうしよう」だとかで検索している自分がいる。 どうしよう、じゃない。いや、ほんとに。 この正月休みで分かったことはといえば…

風呂読書と自己否定 つげ義春『新版 貧困旅行記』

11月。十分すぎるほど寒くなってきた。寒さに耐えられない夜は、ガス代を気にしつつ湯船にお湯を張る。 せっかく湯船に湯を張るという贅沢をするのだから、風呂の時間をめいっぱい有効に使いたい。となると風呂に文庫本を持ち込むに限る。風呂読書については…

「世界は僕を特別扱いしない」から始まる自由。『不自由な男たち――その生きづらさは、どこから来るのか』小島慶子・田中俊之

まったく。年齢性別、所得の多寡や家族の有無にかかわらず、生きづらい世の中ですね。 一若者としては、この先幸せになれる気がまったくしない。今日という日をだましだまし生きて、歳をとり、そして死んでいくのだろうなと思う。 『不自由な男たち――その生…

『あなたが生きづらいのは「自己嫌悪」のせいである。他人に支配されず自由に生きる技術』安冨歩

相変わらず迷ってばかりいる。 そして相変わらず、「自分は自尊心が低いのではないか」と思ったりしている。自分と友人との差をみては、私になくて彼彼女らにあるものを考え込んだりしている。 「生きづらい」「自己嫌悪」というキーワードに惹かれ『あなた…

監禁、人間性の喪失、孤独。そして詩情。『ささやかな手記』 サンドリーヌ・コレット

読んだ。久しぶりのハヤカワミステリ。新書より少し背が高く、黄色い紙のハヤカワミステリだ。もちろん推理小説を期待して本を開いたのだが……あれ、これってホラー? 背表紙を読んでみる。 目覚めると、鎖をつけられ、地下室で監禁されていた―― ホラーではな…

南極行きたい。『南極大陸 完全旅行ガイド』

ひと月前くらいから、ものすごく南極行きたい。きっかけは、会社で梱包材代わりにしていた古新聞に「南極クルーズの旅」という広告を見つけたことだ。 それから私の中で「南極」の二文字が燻り続けている。会社の始業前や昼休みに、ちょこちょこと調べてみた…

会社の中に潜む詩 『現代詩文庫 179 四元康祐詩集』

シルバーウィークが終わってしまった。 聞いた話によれば次にシルバーウィークが5連休になるのは11年後とのこと。 ブルーマンデー、サザエさん症候群、休み明けの出勤を嘆く言葉は数あれど、嘆いたところで出社日はやってくる。 さて。シルバーウィーク。久…