2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧
装幀に惹かれて手に取る本がある。 本書も真っ黄色の背景に、黒色の変わったフォントで書かれたタイトル、という姿が目を引いた。 しかもそのタイトルが『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』 原題は『The Tiny Wife』 これは日本語題をつけた訳者が偉…
「老い」を詠むのに短歌はぴったりのツールである。 なぜならば、短歌は「私」を詠むのに適しているからだ。 俳句は「私」を詠み込むには短すぎ、小説では「私」以外の人間の視点も必要だ。 定型であることは、表現を狭める枠ではなく、むしろ表現することの…
冬のある日、宮沢賢治記念館へ行ってきた。新花巻駅からバスで二つ目の停留所の山の中。 さらに停車場から十五分ほど坂を上った山の上にその建物はある。 冬の岩手。 花壇や日時計は雪に埋まっている。 しかし晴れているため思っていたほど寒くはない。 雪が…
就活をしている。 先週の日曜日のこと。とある会社の選考会へ行き、筆記試験を受け、落ち込んで帰って来た。 研究室へ行かないと、と思いながらもどうしても行く気がしない。 それでは図書館にでも行こうかとも思ったが、こちらもどうも行く気がしない。 そ…
今週のお題「日記・手帳」先週のお題に投稿したページをはてなさんに取りあげて頂いた。 調子に乗って今週も投稿しようと思う。 何よりもテーマが手帳&日記である。 実は大好物である。 文房具好き。 昔から「紙」が好きだった。 ちまちまとコピー用紙を集め…
感動とは何か。 世界観が反転するような心の動きである。 10年程前に流行った「感動=泣かせる」の図式を私は信じない。 そんな私が大学生になってから最も「感動」した本のなかに、坂口安吾『戦争と一人の女』がある。 2012年映画化もされた。 残念ながら見…
読んだ。 大昔に読んだ気がする(5年ほど前か)、『高学歴ワーキングプア』の続編ともいえる本作。 おぼろげにある前作の記憶に比べ、よりエッセイ色が強い気がする。 中身は、 第一部 派遣村・ブラック企業化する大学院 第二部 希望を捨て、「しぶとく」生…
今週のお題「2014年プライベートでやりたいこと」はてなブログのお題というものに初挑戦してみる。 プライベートでやりたいこと、そりゃあ、いろいろある。 読書関係でやりたいことをピックアップしてみる。 読みかけの長編の読破 以前にも書いたが、読みか…
文学作品、と聞くと身構えてしまう。サマーセット・モーム作『月と六ペンス』、高校の国語便覧にも載っていた作品だ。 出ているレーベルも新潮文庫や岩波文庫や光文社「古典」新訳であるし、私が手に取った新潮文庫の帯に書いてある同一シリーズには、ゲーテ…
アル中小説。 中島らも『今夜、すべてのバーで』を一言で言えばこうなる。 35歳の主人公が、アルコール依存症によって入院、治療の末、退院するまでの物語である。 面白いのは、読み通すことでアルコール依存症の知識が一通り身につくことだ。 何しろ主人公…
100万円というのはキリのよい数字だ。 昔見ていたテレビ番組でも課題に成功した時の報奨金は100万円だったし、尊敬する元バイト先の店長も「100万円は手元に貯めておけ」と言っていた。 100万円あれば次の手が打てる。 スズコの100万円戦略 本映画の主人公ス…
どうして古典作品を読まねばいけないのか。 このような議論は今まで星の数ほどされてきただろうし、これからもされるだろう。 私個人の見解としては、読む必要のあるべき本など一冊もない。 それが古典であっても、今年のベストセラーであっても。ではなぜ私…
初詣に行ってきた。おみくじ引いた。凶だった。 「願い事 叶い難し」 「健康 心労」 「旅立ち 思いなおせ」 就活生の私。神様はお見通しか? 『赤目四十八瀧心中未遂』 車谷長吉の直木賞受賞作を映画化したもの。 原作は未読。 新年早々引きこもってDVDで見…
あけましておめでとうございます。 本年度の目標は、途中まで読んで挫折した海外文学(『魔の山』とか『城』とか)を最後まで読了することです。 どうぞ長い目でお付き合いください。さて、去年読んだ本の中での一押し、カズオ・イシグロ『わたしをは離さない…