読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ミラン・クンデラ『別れのワルツ』

ミラン・クンデラにハマろうとしています。ミラン・クンデラという名よりも、『存在の耐えられない軽さ』の著者と言った方が通じるだろうか。 私自身も、彼のことは、ボスミア出身で亡命経験があるということだけしか知らない。 しかしそれで十分。彼の著作…

原作と比較。映画『そこのみにて光輝く』呉美保監督

函館には住んでいたことがある。 佐藤泰志の原作はもちろん既読。 先入観ありまくりの映画鑑賞をしてきました。 映画、原作ネタばれあり『そこのみにて光輝く』感想 原作を読んだことがある作品を、映画で観ることはあまりしない。 むしろ普段はできるだけ先…

日本に生まれたんだから幸せに思え?『世界「比較貧困学」入門 日本はほんとうに恵まれているのか』 石井光太

ネット上でもリアルでも、経済的な愚痴をこぼす人に対して、「でも、アフリカなんかに比べたら、日本に生まれただけで幸せなんだから」という人がいる。 言われた方は、確かに日本は経済大国でもあるので、「それはそうだけど」と答えるしかない。 言いたい…

読んだらやっぱりすごかった! 『枯木灘』中上健次

中上健次『枯木灘』を読んだ。 面白かった。はじめは複雑な人間関係を追いながらゆっくりと読み進めていたが、進むうちに勢いがつき、結局一昼夜で読了。 中上の小説を読むのは初めてであったが、私は彼の作品が好きだ、と確信した。 現代の作家が逆立ちして…

18禁かつカンヌ映画祭最高賞受賞作『アデル、ブルーは熱い色』アブデラティフ・ケシシュ監督

映画館へ行ってきた。 映画を見る際は、できるだけ事前情報を仕入れないようにしている。 情報化社会ではどこにネタばれが転がっているか分からない。 面白そうな題名やポスターだなと思ったら、苦手なホラーでないことを確かめて、映画館へ向かう。 映画館…

読書録的雑記

駄目になりそうな日々が続いている。 如何に生きるべきか、との問いが頭を離れない。駄目になりそう、というのは私自身の主観であり、客観的に見れば単なるモラトリアムに浸っている大学生である。 このような内面を友人に話すことはない。 きっと誰もが思っ…

映画館へ行ってきた! 『LIFE!』 ベン・スティラー監督

二日酔いの朝は何もしたくない。 痛む頭で就活についても、人生についても考えたくない。 でも、それではいけないだろう。 なんといっても日曜日。二日酔いでせっかくの休日を棒に振るのはもったいない。 ということで二日酔いでも楽しめるレジャー、映画館…

『~果てしない孤独~独身・無職者のリアル』 関水徹平・藤原宏美

スネップ、という言葉がある。というか近年開発された。本書は、そのまだ新しい概念「スネップ(孤立無業者)」を、実例を交えて解説、紹介する本である。 スネップ(SNEP)とは、経済学者の玄田有史教授が提唱した言葉で、文字通りには、孤立した(Solitary…

『昔も今も』サマセット・モーム

人生2冊目のサマセット・モームである。『昔も今も』。 1冊目はだいぶ以前のことだが東北へ行った際(宮沢賢治は好きですか? 花巻・宮沢賢治記念館に行ってきた! - 読書録 本読みの貪欲)、電車に揺られながら読んだ本である。 雪景色を見つつ、ルネサン…

超然として生きる 『妻の超然』絲山秋子

面接で高ぶった精神を落ち着かせようと文庫本を買った。 『妻の超然』絲山秋子。 軽い気持ちで読み始め、確かに読める本なのに、軽く読み過ごすだけでは終われない何かを感じ、驚いた。 軽く読み過ごすだけでは終われない。 本書は、現在の個人の在り方を「…

レールのない時代を生きる『リアル30’s ”生きづらさ”を理解するために』

毎日新聞に連載された記事とその記事に対するtwitterの反響をまとめた一冊。 連載は第4部まであったが、本書では前半の1部と2部が取りあげられている。 第1部 働いてる? 第2部 変えてみる? 本書で取り上げるのは1978-1982年ごろに生まれ、バブル経済を…