読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

MENU

2015-01-01から1年間の記事一覧

映画『屍者の帝国』観て来ました!

題名のとおり。映画館へといってきました。 観終わった感想を一言で言えば「あれ、こんな話だっけ?」 という感じ。原作とは、良くも悪くも物語が大きく変わっていた。原作よりも好きかもしれない、というのが自分としての感想。物語の要素を単純化すること…

本を読む姿勢について。

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」 先週↓の続き。人生に影響を与えた数冊、大学生編。dokusyotyu.hatenablog.com 大学時代に身に着けてしまった悪癖の一つに、本を読むときは寝転びながら、というものがある。 狭い部屋に住んでいたので、本を読めるスペ…

会社の中に潜む詩 『現代詩文庫 179 四元康祐詩集』

シルバーウィークが終わってしまった。 聞いた話によれば次にシルバーウィークが5連休になるのは11年後とのこと。 ブルーマンデー、サザエさん症候群、休み明けの出勤を嘆く言葉は数あれど、嘆いたところで出社日はやってくる。 さて。シルバーウィーク。久…

人生に影響を与えた数冊。

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」自我がふわふわとしているためか、周囲の影響を受けやすい。 だから我が人生は、趣味である読書からの影響を抜きにしては語れない。 小中学生 小学生高学年のときに転校をした。二回目の転校だった。引越しという事象に…

移人称小説、だって。

昨日、なんとなしに新聞を読んでいたら「移人称小説」なる言葉を見つけた。以下、日本経済新聞2015年8月22日の40ページを読んだ感想などなど。 移人称小説? 不勉強なため、その単語を知ったのはそのときがはじめてだった。とっさに移民をテーマにした小説の…

【日記】社会人の夏休み

明日から夏休みだ。社会人になって初めての夏休み。 入社当初、夏休みは3日だと聞いて絶望した。二ヶ月連休だった大学生のころから比べるとなんと短いことか。しかし働き始めて、3日も休めるということは凄いことだということが徐々に分かってきた。土日もあ…

「定番だけじゃ人生つまらなくない?」『ほかの誰も薦めなかったとしても今のうちに読んでおくべきだと思う本を紹介します。』

今週のお題「読書の夏」 『ほかの誰も薦めなかったとしても今のうちに読んでおくべきだと思う本を紹介します。』、長い題名だ。だけれども、惹かれる題名である。 今のうち、とはいつのことか。それははっきりしている。14歳。河出書房出版社の「14歳の世渡…

【日記】本を探す、それだけの話。

昨夜読んでいた本が、見つからない。 明日は土曜日だから掃除をしようと思っている。片付ければ、きっと本はどこかしらから出てくるだろうとは思う。 でも、その本は、今、読みたいのだ。 どこでも読書する人間であるし、さらに、複数の本を同時読みする人間…

夏に読む京極ミステリ『絡新婦の理』

妖怪。妖怪ウォッチを持ち出すまでもなく、人々は妖怪が大好きなのだろうと思う。夏休みということもあってか、美術館も水族館も妖怪をテーマにした展示をしているようだ。 妖怪をモチーフにした文学作品も星の数ほどある。 私は怖がりなのでホラー小説は読…

信号機の恋物語『シグナルとシグナレス』

好きなバンドの好きな歌詞に「シグナルとシグナレス」という一節があった。 シグナルとシグナレス 始発電車 自殺 唄うたいと商業主義 愛こそすべて (by amazarashi『ラブソング』) シグナルとシグナレス? ある日思い立って、その言葉を検索窓に打ち込んだ。…

阿部公房『他人の顔』【読書感想】

馬鹿な男の馬鹿みたいな話。 今の私が、阿部公房の長編『他人の顔』を一言で紹介するとこのような言葉になった。でも同時に、そう言いきっていいのだろうか、とのもやもやした不安がよぎる。私はこの物語を正確に読み取れているだろうか。確証がない。 これ…

壮大なホラ話?『わたしは英国王に給仕した』フラバル

映画『グランドブタペストホテル』を観た。面白かった。映画の主人公はロビーボーイ(給仕人見習い)、同じようなホテルやレストランを舞台にした小説が読みたいと思い、『わたしは英国王に給仕した』を手に取った。河出書房新車、池澤夏樹個人編纂世界文学全…

『死をポケットに入れて』 チャールズ・ブコウスキー、老年期の日々。

読んでまず驚いたのが、主人公である著者が老いていたことである。 予備知識を持たずに、文庫本後ろのあらすじも読まずに、著者の名前と題名だけを確かめてページを開いたのが悪かったのだが。いや、予想もしなかった文章に出会えたという意味では幸運か。 …

【日記】雨の日も本を読む。

今週のお題「雨の日が楽しくなる方法」 雨の日にすること。 このようなブログを運営していることからも容易に想像できるだろうが、雨の日はたいてい読書をして過ごしている。ページを開くと、朝からの薄暗い空、じめじめした空気、ジーンズの裾が濡れる不快…

詩のこころとは? 嶋岡晨『詩のたのしさ』

詩の本を読んだ。嶋岡晨『詩のたのしさ』(講談社現代新書)である。平易で読みやすく、詩の引用も多々あり、そしてそれらの詩の作者別の検索表が載っており高評価。個人的には、好きな詩である高村光太郎の『道程』の引用があり嬉しかった。高村光太郎の詩…

梅田 蔦谷書店へ行ってきました!

大阪へ行ってきた。映画を見に行ったのだが、もちろん片道1500円出して都会へ行ったからには、都会の本屋へ行かねばなるまい。 ということで、大阪駅の蔦谷書店へ行ってきました。 いやあ、すごい人でした。そしてかなり変わった本棚の配列でとても刺激的だ…

面白いだろうと思う、けれどまだ読みたくない、そんな本。北森鴻『天鬼越』

今週のお題「最近おもしろかった本」 ついに買ってしまった。 その本は―― 本屋に並んでいた。いつの間にか文庫化されていた。文庫化されるぐらい時間が経っていたのか、と驚いた。買うべきかどうか、一瞬の迷い。私は買うだろう、と思った。手が伸びた。裏表…

倉橋由美子『シュンポシオン』

本が溜まっていく。 このところ、買ったり借りたりする本>読む本、なので、部屋にどんどんと未読本が溜まっていく。読もう読もうとは思うものの、無理してまで本は読むものでもなく、とすれば、寝る前の30分読書で消化できる量はたかが知れており、その結果…

おかあさんの本棚。

今週のお題「これ、うちのおかんだけ?」 今週のお題に便乗。ちなみにうちでは「おかん」という言葉は使わない。父も自分も兄弟も「お母さん」と呼ぶ。 両親はそれなりに読書好きだった。小さい頃から図書館に連れていってもらっていたし、子供たちが家を出…

一人暮らしと新聞。

引っ越してから2ヶ月。新しい町にも徐々に慣れてきた。 新生活も慣れてしまえばただの日常。新鮮な驚きも日々の煩わしさにかわる。 そんな日常の日々でちょっと悩んでいることがある。新聞だ。 一人暮らしの皆さん、新聞は購読していますか。 当たり前のよ…

初任給で買った本。『衣更着信詩集』

金曜日の夜だからビールを飲まないといけない気がする。 そんな社会人1年生の夜。 プルトップを開け、アルミ缶を傾けると、タンサンが喉を駆ける。 ビールを飲みたい、思いつつ飲む発泡性リキュール。 ゴールデンウィークからのダメ人間モードで、すっかり…

『火の賜物 ヒトは料理で進化した』 リチャード・ランカム著

究極のところ、私は「自分の人生とは何か」ということにしか興味がない。しかし「自分の人生とは何か」ということを考えるにあたり「人間とは何か」という問いは避けては通れないし、「人間とは何か」という問いに対するアプローチは多々あるとは思うが、そ…

『頑張って生きるのが嫌な人のための本 ゆるく自由に生きるレッスン』海猫沢めろん

魅力的な題名だ。『頑張って生きるのが嫌な人のための本』。再読だが、二回ともこの題名にやられた。自己啓発本だろうと思いつつも思わず手にとってしまう。だって頑張って生きたくないんだもん。そのうえ、頑張って生きたくない、と自覚してしまう真面目さ…

【日記】 嬉しかった言葉

今週のお題特別編「嬉しかった言葉 」 〈春のブログキャンペーン ファイナル〉 当事者になってみないと分からないことがある。 たとえば。 社会人になるということ。就職して1ヶ月。就職活動の影響か会社は怖いところだと思い込んでいた。しかし実際のとこ…

「サヨナラ」ダケガ人生ダ 『画本 厄除け詩集』井伏鱒二

井伏鱒二といえば『山椒魚』。小説家というイメージが強く、詩はほとんど読んだことがなかった。 それでもどこかで聞いたことのあるフレーズ「コノサカヅキヲ受ケテクレ」「サヨナラダケガ人生ダ」。井伏鱒二が、于武陵の漢詩『勧酒』を和訳したものだ。「人…

広い部屋を持て余す日々。西和夫『二畳で豊かに住む』

学生時代、初めの二年は6畳、その後は8畳の部屋に住んでいた。就職を期に引っ越した先のアパートは、六畳二間の2DK。43平米ほどある、一人暮らしには広すぎる部屋である。南向きの角部屋で、明るさと和室があることが気に入ってここの部屋に決めた。 住んで…

「MADE IN TOKYO」な大学ノートを衝動買い!

先日の夜。持て余していた時間を有効に使うべきであると結論付けた。一人でできる有効な時間の使い方。趣味がある人間は良い。その時間を趣味に費やせばよい。では、趣味のない人間はどうすべきか。私は勉強しようと思った。真面目系クズ人間の本領発揮だ。 …

【日記】欲しいものがない、ということ。

今週のお題特別編「子供の頃に欲しかったもの」〈春のブログキャンペーン 第3週〉 好奇心が強い子供だった。 欲しいものはいっぱいあった。 社会人になって半月ほど経った。自分の内面の変わりように呆然としている。 学生時代を通し、ずっと頭を悩ませてい…

経済成長の先、われわれはどこへ行くのか。『路地裏の資本主義』平川克美

『路地裏の資本主義』を読んだ。角川SSC新書の一冊。普通の新書よりも一回り大きく、行間も広い。新鮮。 本書は資本主義とその周辺について考えるエッセイである。専門書ではない。「路地裏」という題名があるからと言って、直接的に路地裏について語られる…

古川日出男のショートショート 『夏が、空に、泳いで』

本に書かれた情景が、日常のふとした瞬間に立ちあがってくることがある。まるで白昼夢のように。あるいは。ある単語が思い浮かんだと思えば、その単語は脳内を漂い、やがて単語は意味を持った一節となり、そして私はかつて読んだことのある本の題名に思い至…