読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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ノンフィクション

『人は死ねない 超長寿時代に向けた20の視点』(奥信也著)【読書感想】

趣味として古今東西様々な本を斜め読みしてきて、ひとつ学んだことを挙げるとすれば「人は自分の死に時を選べない」ということである。私だって、貴方だって、明日死ぬかもしれないし、120歳まで生きるかもしれない。 それでも科学の発展は、我々は思いがけ…

『世界史を変えた13の病』(ジェニファー・ライト著、鈴木涼子訳)

新型コロナウイルスの流行に伴い、感染症をテーマにした本が売れているという。カミュの『ペスト』が重版というニュースが流れているし、岩波新書編集部さんは、村上陽一郎『ペスト大流行』、山本太郎『感染症と文明』の緊急復刊、押谷仁・瀬名秀明『パンデ…

『戦後ゼロ年 東京ブラックホール』貴志謙介【読書感想】

真っ黒な背景に赤い文字で題名が書いてある。『戦後ゼロ年 東京ブラックホール』はそんな本である。 NHKスペシャル「戦後ゼロ年 東京ブラックホール 1945-1946」を書籍化したノンフィクション。著者である貴志謙介さんはこの番組のディレクターである。 番組…

国分功一郎『暇と退屈の倫理学』を再々読中【読書日記】

国分功一郎『暇と退屈の倫理学』を再々読している。はじめて読んだのは、発売されてすぐの頃。本書は話題となっており、新聞の書評等にも取り上げられ、書店でも平台で並べられていたように思う。流行に流されやすい私は、「倫理学」という言葉の重々しさに…

魚図鑑の魅力 『小学館の図鑑Z 日本魚類館 精密な写真と生地の写真と詳しい解説』【読書感想】

魚好きだ、と、言っている割には、私の本棚には、いわゆる総説的な魚図鑑がなかった。なので小学館から大人向けの魚図鑑が出ると聞いたときには、1も2もなく予約した。小学館の図鑑、小さい頃は夢中で読んでいた。ちなみに友人の子供の1歳児も、小学館の図鑑…

週末読んだ本【読書日記】

土曜日。久しぶりに一日中本を読んでいた。 このごろでは滅多になくなってしまったことだ。 記念に、というわけでもないが、今週末に読んだ本を記録しておこうと思う。 『ずっとお城で暮らしてる』シャーリー・ジャクスン 桜庭一樹のエッセイで紹介されてい…

『あなたが生きづらいのは「自己嫌悪」のせいである。他人に支配されず自由に生きる技術』安冨歩著

相変わらず迷ってばかりいる。 そして相変わらず、「自分は自尊心が低いのではないか」と思ったりしている。自分と友人との差をみては、私になくて彼彼女らにあるものを考え込んだりしている。 「生きづらい」「自己嫌悪」というキーワードに惹かれ『あなた…

『火の賜物 ヒトは料理で進化した』 リチャード・ランカム著

究極のところ、私は「自分の人生とは何か」ということにしか興味がない。しかし「自分の人生とは何か」ということを考えるにあたり「人間とは何か」という問いは避けては通れないし、「人間とは何か」という問いに対するアプローチは多々あるとは思うが、そ…

『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実』デイミアン・トンプソン【読書感想】

年末年始に読んでいた本。『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実』。お正月に読む本じゃない気がするが、気にしない。読んだところ、現代社会の一面、しかもなかなか日の当らない一面を見事に切りとった本であった。 それからサブタイトルがよい。『「廃…

『ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか』NHKスペシャル取材班【読書感想】

年末年始だからか、なにかと忙しい。1日16時間くらいは大学にいる気がする(徹夜や泊りこみしてないだけいいのだろうけど)。12月に入ってがっつりと読書量が減ってしまった。昨日など桜庭一樹の読書エッセイシリーズ『お好みの本入荷しました』(大好きなシリ…

縄文ロマン! 西田正規『人類史のなかの定住革命』 

以前、國分功一郎『暇と退屈の倫理学』を読んだときに「定住革命」という言葉を知った。 その言葉やその言葉が示すパラダイムがずっと引っかかっており、この度、「定住革命」の産みの親(たぶん)、西田正規による『人類史のなかの定住革命』を読んだ。 人…

レールのない時代を生きる『リアル30’s ”生きづらさ”を理解するために』

毎日新聞に連載された記事とその記事に対するtwitterの反響をまとめた一冊。 連載は第4部まであったが、本書では前半の1部と2部が取りあげられている。 第1部 働いてる? 第2部 変えてみる? 本書で取り上げるのは1978-1982年ごろに生まれ、バブル経済を…