読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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幸せな金曜日。少女漫画な気分。【読書日記】

 今日は金曜日、定時で帰れた。

 なんだかどこか浮足立った気分で、スーパーでキムチ鍋の材料とビール(第三のビールでも発泡酒でもなくてビール)を買った。
 あれもしかして私今とっても幸せなのではないのと思ったら、ますます幸福感が溢れてきた。人の感情はなんと軽薄なものなのだろう。
 特に行く予定もなかったのに、本屋へ寄った。無性に少女漫画が読みたかった。
 少女漫画を読まずに育ったのに、今では2カ月に一度くらいとても少女漫画が読みたくなる。鳥飼茜『おんなの家』を買った。少女小説?まあいい、1巻から3巻まで買った。勢いに任せず、最終巻の8巻までまとめ買いしなかった自分をほめてあげたい。
 少女漫画のもつ魔力を持つ小説のジャンルは何だろうと考えながら本屋をさまよった。恋愛小説?少し違う気がする。純文学?もちろん違う。私の中で純文学を読みたい気分と、恋愛小説を読みたい気分は明確に異なっている。だとしたら、BL?ハーレクイン?どちらも足を踏み入れたことがないジャンルだ。沼は深そうだ。
 いろいろと悩みながら一冊を選ぶ。P・ハイスミス『キャロル』裏表紙によると「サスペンスの巨匠ハイスミスが匿名で出した幻の恋愛小説、待望の本邦初訳」、だそう。しかも百合っぽい。おお、楽しみ。

 アパートの狭い台所でキムチ鍋をつくる。素を鍋に入れ、火をつける。刻んだ白菜とニラとしめじとえのきともやしと豚肉を入れて、煮込む。ビールを開ける。本を開く。まずは『おんなのいえ』。いきなり主人公(29歳)が、知り合って10年付き合ってすぐに同棲して3年の彼氏に振られてる。おお……恋愛小説??

手帳を買い間違えた。

馬鹿なことをした。
馬鹿なことの内容は題名通り。

秋も深まり文房具売り場はすっかり手帳のシーズンである。
今年はどんな手帳にしようかなとインターネットを物色していると気になるものを見つけてしまった。

ロイヒトトゥルム 手帳 2018年 1月始まり マンスリー B5 ソフトカバー ブラック 355253

ロイヒトトゥルム 手帳 2018年 1月始まり マンスリー B5 ソフトカバー ブラック 355253

ドイツのノートメーカー、ロイヒトトゥルムが手帳を出している!
勉強不足で知らなかったのだが、どうやら数年前から発売していたようで、去年は瞬く間に完売したらしい。欲しくなる気持ち、分かる。
種類もデイリー、バーチカル、ウィークリー、ホリゾンタル、デイリーと出ており、カラーバリエーションも豊富だ。表紙もハードカバーとソフトカバーから選べる。痒い所に手が届くラインナップだ。
ネックとなるのは、3000円オーバーという値段だろう。手帳にしては少々お高い。
というか、ノートタイプのロイヒトトゥルムも、数年前に比べると1000円近く高くなっている気がする……ああ、安かったときに買いだめしておくべきだったか……

欲しい、欲しい、欲しい、と頭がなって、その場で買ってしまった。インターネットの手軽さの恐ろしさ。まともな本屋も文房具屋もない田舎町でも、簡単に高級ノートが買えてしまう……

3日後。さっそく届いたそれを開けてみた。開封の儀、とカメラまで構えて。

と、開けてみて異変に気が付いた。

でかい。
あれ、私、サイズ間違えた?

A5タイプの手帳を買ったつもりであったが、手元にあるノートはそれよりも一回りでかい。あきらかにA5じゃない。これはB5じゃないか。大学ノートとおんなじサイズじゃないか。
さてどうする?毎日このサイズのノート(B5はもはや「手」帳サイズではない)を持ち歩くのか。

迷いもせず出した結論は「買いなおす」。
まだパッケージのビニール袋を破いていないので返品することも可能だろう。だけど、これも運命。それに今の私は、B5サイズのビニールを破いて、ノートの中を見てみたい好奇心を抑えられないでいる。この文章を書き終わったら、一人楽しく開封の儀を執り行うつもりだ。

dokusyotyu.hatenablog.com

↑過去のブログを見ると、ミディアムサイズ(A5くらい)のノートを3年前は1800円で買ってた。

退職願を書く。

今週のお題「私がブログを書きたくなるとき」

久しぶりのブログへの投稿です。

このところいろいろあったような、なかったような毎日で、ブログを書かない日が続いている。
ネタとなる読書はずっと継続していた。どころが社会人になってからで一番といっていいほど集中して本を読んでいた。それも乱読。手あたり次第、目に入り次第読み散らかす、乱暴な読書だった。多くの本を読んだ。面白い本も、ブログで紹介したいと思った本も、もちろんあった。
それでもしばらくブログを書く気にはなれなかった。
いや実はブログだけではない。ここのところ手書きの日記も書く気になれずに放棄していた。

書く。
それがある種の救いになることを私は知っている。それでも何故か言葉を書く気になれなかった。
特に忙しすぎたわけではない。ストレスが溜まっていたわけではない。私は不幸でも幸せでもない。

ただ私の人生は、どうやら次のステージへと進んでいるようだ。

つい先ほど、退職願を書いた。
特別な感慨でも湧いてくるかと思ったが、全くそんなことがなくて驚いた。

新卒で入った会社を辞め、転職する。
このブログは学生時代から続けているため、就活中の記事も残っている。辛かった日々。懐かしい日々。あの頃の日々は、もはやずっと遠い。

あの頃から私は何も変わっていない。私の人生はあの頃と同じように主体性を欠いたまま、流されるように過ぎ去っていく。
まさに「変わっていくのはいつも風景」(by amazarashi)。

それでも流れていく風景の中には、忘れられない情景がある。そしてそんな情景の中にはいつも傍らに本があった。

例えば、就活中に羽田空港で買った『人間の土地』。たくさんのサラリーマンたちで溢れる空港の待合所で読んでいた、内定がまだひとつもなかった私。あのときの椅子の硬さを、そして郵便飛行の浪漫を今も確かに覚えている。

私が読んだ本について、ブログに凡庸な感想を書きつけるのは、人生を彩る大切な本たちを、しっかりと未来の私に伝えるためなのかもしれない。そうさいきんの私は、なんでだろうか、大切なことをすっかりと忘れてしまうから。