読書録 本読みの貪欲

近畿地方の某田舎町で一人暮らし中。

絵本好きが読書好きになるまで

今週のお題特別編「素敵な絵本」

まさかこんな所で絵本を見ることになるとは。

相変わらず就職活動で東京へ来ている。
平日、昼前。某東京メトロの駅にて。上りエスカレーターに乗っていたところ、隣を下りてくる初老の男性が、片手に絵本『ちいさいおうち』、もう片方の手にペットボトルのお茶を持っていた。
いやいや、なんだろう。
お孫さんにでも読んであげるのだろうか。
私自身はバージニア・リー・バートン著『ちいさいおうち』という絵本を読んだかどうか判然としないのだけれど(中身は思い出せないが、表紙にはなんだか見覚えがある)、きっと素敵な絵本なのだろうなと思った。

ちいさいおうち (岩波の子どもの本)

絵本遍歴

なかなか絵本遍歴を語るのは難しい。
実家は、どちらかと言うと、絵本がたくさんある方だと思う。小学校に上がるまえから、二週間に一度、図書館に行っていたし、母親は毎晩読み聞かせをしてくれていた。絵本に触れ合う回数は多かったはずだ。
なのに何を読んできたのか、あまり覚えていない。
よく読んでいた図鑑なら思いだせるのだけれど。
ちなみに4歳の時、初めて買ってもらった図鑑は、背表紙の黄色い(出版社が分からない)『宇宙』の図鑑で、次が『動物』だった。さらに加えると、一番好きだったのは『21世紀こども百科 科学館』(小学館)であった。

21世紀こども百科 科学館

母親の読み聞かせで覚えている絵本は三びきのやぎのがらがらどんである。これは私ではなく、男兄弟のお気に入りだった。

小さいやぎのがらがらどんと、中くらいのやぎのがらがらどんと、大きいやぎのがらがらどんが、谷間にトロルがいる橋を渡り、草地を目指すお話しである。
勢いのある線で描かれたやぎたちと怪物トロルの、生き生きとしたやりとりが面白かったのだろうか。彼は母に、何晩も何晩も、この絵本を読んでくれるようにねだった。幼心にも、彼は飽きないのだろうかと思った覚えがある。私も今でも内容を覚えている。
「がらがらどん」口ずさむとなんとなく楽しくなる響きだ。そういえばこの絵本、幼稚園でも読んでもらったことがある。その時は馴染んだ絵本が幼稚園でも見ることができ嬉しかった…と思う。

三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

小学生以後

小学校1年生後半から2年生にかけて。レオ・レオニさんの絵本にはまった。
小学校の図書館にたくさん並んでいたのだ。
友達と競うように借りた。裏表紙にあった(と思う)既刊の本の写真を見て、これも読んだあれも読んだと指をさすのが楽しかった。
小学校にあったレオ・レオニさんの本は全て読んだはずだ。その当時から、はまった著者の本は全部読みたくなるという読書傾向は形成されていたのかと思うと感慨深い。

フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし


私が語れる絵本遍歴はここまでだ。
2年生のときシートン動物記』を読んだ。出版社は分からないが、はじめて読んだ二段組みの本で、自らの読書能力に自信をもった。
またクラスで怪談がはやっていたこともあり、その類の本を読むようになった。ポー『黒猫』を読んだのもこのときだ。ホラーかと思い、はやみねかおる『ゴーストは夜歩く』を読んだら、ミステリだった。面白かった。私のミステリ好きの萌芽はこうして芽生えた。

亡霊は夜歩く 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社青い鳥文庫―名探偵夢水清志郎事件ノート)

絵本と大人になった私

気づけば絵本から離れていた。
楽しみかたも忘れてしまった。
寂しいが、しかし、私の読書への興味を開いたのは絵本たちだ。
母の読み聞かせがなければこのようなブログも書いていないかもしれない。

最近、母が絵本を大切に保管していることを知った。
「いつか孫にあげるから」と彼女は言う。
私たちを育てた絵本は、どうやら私たちの子供も育ててくれるようだ。

(もちろん無事、就職して結婚して子供をもてるかどうかは分からないが。人生の課題は多い)

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