読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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♯私の平成の30冊

 Twitterにて「♯私の平成の30冊」なる面白そうなタグを見つけた。せっかくなので自分でも30冊を選んでみた。これがなかなかに難しい。一著者一作品、ノンフィクション系は除外、平成になってからの新訳は選択可というマイルールで30冊を選んだ。選択の基準としては、30年後この記事を自分が読み返したときに「ああ、平成のころはこんな本を読んでいたなあ」と思えるような、個人的な思い入れが強い本(価値観が大きく変わった、新しいジャンルを読むきっかけとなった、読んだ状況が思い出深い等の本)とした。

♯私の平成の30冊

(国内小説 11作)

すべてがFになる森博嗣著 1996年

 言わずと知れた、私に影響を与えまくった著者による第一作目の長編ミステリ。すべてはここから始まった。初めて読了したのは中学1年生の夏だったのを今も覚えている。

虐殺器官伊藤計劃著 2007年

 夫と仲良くなるきっかけになった小説。ある意味一番私の人生に影響を与えている本。

『そして五人がいなくなる』 はやみねかおる著 1994年

 みんな大好き青い鳥文庫の一冊。私の本好きミステリ好きの土壌を作ったのは、はやみねかおるさんだと思う。

『とんび』重松清著 2008年

 中学生のころ、実家でとっていた新聞に連載されていたのを毎日楽しみに読んでいた。懐かしい。

『メイン・ディッシュ』北森鴻著 1999年

 北森鴻さんの本はどれを選ぼうか迷ったが、最初に読んだ(多分)一冊を。連作短編ミステリ。

『グロテスク』桐野夏生著 2003年

 桐野夏生も中学生から高校生のころによく読んだ。どの本を選ぶか迷う。

ミノタウロス佐藤亜紀著 2007年

 学生時代、一人旅の電車移動中に読んでいた本。寂れた田舎のローカル線の荒涼感によく合った。海外文学っぽい物語。

赤目四十八瀧心中未遂車谷長吉著 2001年

 もしかすると、私は日本の小説の中でこの本が一番好きかもしれない。もしかすると、だけども。

『ポトスライムの舟』津村記久子著 2009年

 主人公の働くことに対する切迫感に驚くほど共感できた一冊。今まで読んできた本のどの登場人物よりも私に近いと感じた。

『ベルカ、吠えないのか?』古川日出男著 2005年

 学生時代、2ヶ月に渡る泊まり込みの実習の際に持ちこみ読んでいた本。この本をきっかけに古川日出男さんの本もいろいろ読んだなあ。

『消滅世界』村田沙耶香著 2015年

 ユートピア小説。村田沙耶香さんはこれからいろいろ読んでいきたい作家のひとり。

(国外小説 12作)

悪童日記アゴタ・クリストフ著 堀茂樹訳 2001年

 小説好きに勧めたい本ナンバー1。本好きでこそ楽しめる小説だと思う。三部作の一冊目。

忘れられた巨人カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳 2015年

 カズオ・イシグロさんの本で一冊選ぶなら、『わたしを離さないで』でも『日の名残り』でもなく最新作の『忘れられた巨人』だと思う。

『贖罪』イアン・マキューアン著 小山太一訳 2001年

 最近読んだ本。21世紀のはじめに書かれた物語だが、21世紀を代表する小説になりそうな予感。

ザ・ロードコーマック・マッカーシー著 黒原敏行訳 2008年

 衝撃的なディストピア小説。衝撃的でかつ悲哀に満ちた物語。

『不滅』ミラン・クンデラ著 菅野昭正訳 1999年

 『存在の耐えられない軽さ』と迷ったが、よりメタな要素が強いこちらで。

ある島の可能性ミシェル・ウエルベック著  中村佳子訳 2016年

 多彩な物語を紡ぐ作家であるが、SFチックな一冊を。今後も新刊を追っていきたい作家のひとり。

『すばらしき新世界』(新訳)オルダス・ハクスリー著 大森望訳 2017年

 電子書籍版で読んだが、紙の本でも置いておきたくて、最近文庫本も買ってしまった。

『マダム・エドワルダ/目玉の話』バタイユ著 中条省平訳 2006年

 『目玉の話』大好きなのだが、大好きなことが後ろめたいし恥ずかしい。

戦争と平和』(新訳)トルストイ著  藤沼貴訳 2006年

 嫌いな小説のヒロインナンバー1は『戦争と平和』のナターシャかも。『アンナ・カレーニナ』も読みたい。

『白鯨』(新訳)メルヴィル 八木敏雄訳 2004年

 上記の『ベルカ、吠えないのか?』を読んだ実習の際に、同じく持っていき読んだ小説。超長編なので読了時は二度と読むことはないだろうと思ったが、現在進行形で再読中。

カラマーゾフの兄弟』(新訳)ドストエフスキー著  亀山郁夫訳 2012年

 実は『罪と罰』は挫折し最後まで読んでいないので、次の元号になったら再度チャレンジしたい。『カラマーゾフの兄弟』もまた読みたい。

レ・ミゼラブル』(新訳)ヴィクトル・ユゴー著 ポール・ベニシュー編訳 永山篤一訳

 短縮版『レ・ミゼラブル』。トム・フーパー監督の映画版が大好きで、映画を見たあとに読んだ。本筋ではないが、学生たちの挫折した革命の部分が好き。

(詩・エッセイ 6作)

『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』伊藤比呂美著 2007年

 生活と生と死。はじめはエッセイと思い読み進めたが、これはやはり詩なのだと思う。

『通勤電車でよむ詩集』小池昌代編著 2009年

 現代詩のアンソロジー。ここ数年で一番読んでいる本(主に湯船に浸かりながら)。これからも何度も読み返すことだろう。

『もの食う人々』辺見庸著 1994年

 食べること=生きることを題材にしたエッセイ集。食エッセイなのに癒し要素はない。

『八本脚の蝶』二階堂奥歯著 2006年

 自殺された女性編集者が生前に書いていたブログを書籍化したもの。彼女の博識さと美意識と生に対する切実さに、何度読んでも圧倒される。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実米原万里著 2001年

 ロシア語通訳者である著者がプラハで過ごした小学校時代の旧友の消息をたどるエッセイ。米原万里さんのエッセイはどれも面白いが、内容の重い一冊を。

桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ。』桜庭一樹著 2007年

 読書欲を刺激されまくる読書エッセイシリーズ。実はこのブログは、桜庭一樹読書日記を目標にしています。道のりは遠い。

(番外 1作)

『美味しいマイナー魚介図鑑』ぼうずコンニャク 藤原昌高 2015年

 小説ではないが、どうしても押したいので選んだ。見て楽しい、何度も開きたくなる魚図鑑。


 以上、30冊。頑張って選んでみたが、見落としている作品がある気がする。