読書録 地方生活の日々と読書

趣味が読書と言えるようになりたい。

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2014-01-01から1年間の記事一覧

中島らもの長編小説一気読み!『ガダラの豚』

久しぶりに小説の一気読みをした気がする。 中島らも『ガダラの豚』を読んだ。これがとにかく面白い。 祝日1日を読書に使ってしまったではないか。せっかくの秋晴れだったのに。 とにかく面白かった。 内容を説明するのは難しい。 主人公の大生部はアフリカ…

デイヴィッド・ゴードン『二流小説家』

推理小説である。 昨年末、各種ミステリ本で話題になっていたときから気になっていた。 ネタばれ注意。推理小説に連続無差別殺人犯は似合わない。 動機のない殺人事件、たまたまそこにいたから殺した、という自白シーンでは、読者である私たちは納得しない。…

ブルータス、お前もか…シェイクスピア『ジュリアス・シーザー』【読書感想】

ジュリアス・シーザー、ラテン語読みではユリウス・カエサルといえば名セリフ「ブルータス、お前もか」。 この言葉を有名にしたと思われるのが、シェイクスピアの悲劇『ジュリアス・シーザー』である。未読だったが、ちくま文庫のシェイクスピア全集で新たに…

三連休と本

先週末は三連休だった。特に何もしなかった。あえて言うなら魚介をいっぱい食べた。おいしかった。 ほんと普段通りの休みだった。秋空は先日の大雨が嘘のようにきれいに晴れていた。私のなかで普段通りの休日ということは、本屋へ行き図書館へ行った、という…

手書き日記に「書くこと」について書いてみた

今週のお題「書くこと」書くことは好きだ。特に、手で書くことが好きだ。というか文房具が好きだ。 普段、人に言えないことは、手書き日記に書いている。あえてその日記に「書くこと」について書いてみた。 使っているノートはモレスキン。ペンはJET STREAM…

時は21世紀。『それでも、読書をやめない理由』デヴィッド・L・ユーリン(柏書房)

ブログを書く人間にはブログ論好きも多いようだ。 という私もそのようなエントリーがあれば、ついつい読んでしまう。本を読むことが三度の飯と睡眠並みに好きな私は読書論も大好きで、本に関わるエッセイや新書は好きなジャンルの一つである。 先日、『それ…

現代語訳!豪華訳者陣!『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』が欲しい

本屋および図書館の棚の一角を占めるカラフルな本たち。 『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』全30巻だ。 読もう読もうと思いつつ、まだ『ロード・ジム』と『存在の耐えられない軽さ』と『巨匠とマルガリータ』しか読んでいない。ハードカバーで、それなりに…

アメリカの古典不倫小説『緋文字』ホーソーン【読書感想】

光文社古典新訳文庫から出た小川高義訳『緋文字』(ホーソーン著)を手にとった。この文庫本には、小説には珍しい「訳者まえがき」がついている。 ナサニエル・ホーソーンの『緋文字』は、アメリカ文学史にあって定番中の定番というべき作品である。多くのア…

対詩を読む 四元康祐×田口犬男『対詩 泥の暦』

詩の善し悪しは分からない。 国語の授業はちゃんと聞いていなかったので(授業時間=読書時間と勝手に定義し本ばかり読んでた)、詩の歴史も読み方もよく分からない。 けれども詩っていいなあと思う。 対詩というもの 対詩、という言葉を知った。『対詩 泥の暦…

『貧乏は幸せのはじまり』岡崎武志

貧乏性である。 実際貧乏じゃないか、そして貧乏から抜け出せるあてもないじゃないか、と言われたらその通りでもあるのだが、経済状況如何に関わらず貧乏性であろうと思われる。 何故なら、物心ついたときから貧乏性であったから。 具体的な理由は分からない…

今更ながら村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅』を読んだ。

天の邪鬼なため話題のベストセラーは読みたくない。 現代日本を代表する作家によって書かれ、あっという間に50万部を売り上げた『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅』。 つい先日には、英訳版がニューヨーク・タイムズのランキングで1位であったと…

縄文ロマン! 西田正規『人類史のなかの定住革命』 

以前、國分功一郎『暇と退屈の倫理学』を読んだときに「定住革命」という言葉を知った。 その言葉やその言葉が示すパラダイムがずっと引っかかっており、この度、「定住革命」の産みの親(たぶん)、西田正規による『人類史のなかの定住革命』を読んだ。 人…

『誰にでも、言えなかったことがある。 脛に傷持つ生い立ち記』 山崎洋子

最近、ちょっとした(本人からすれば重大な)失敗をした。私は後ろ向きな人間なので、そのことについてくどくど考えている。出来るだけいろいろな視点から検討してみているのだが、気がつけば毎回同じような思考パターンにはまり、人生失敗したな、という結論…

アイスランドミステリ!アーナルデュル・インドリダソン『緑衣の女』

目が覚めて、大きなお屋敷で起こるどろどろ殺人劇が読みたいと思った。 金田一耕助でもいいが、舶来物でもいい。 日曜日の朝。 しかしそのような正統派推理小説は手元になかったので、現代的なミステリである『緑衣の女』を読んだ。 アイスランド・ミステリ…

自己啓発本の効用と詩の効用。

上手くいかなかったことがあり、そのような結果となった事実に対し、とても悲しかった。 結果自体は、得られた方がよかったが、得られなくともよかった。 ただ「上手くいかなかった、結果を得られなかった」という事実が悲しかった。結果に至る過程が上手く…

好きな文房具が生産終了。

全国の文房具好きのみなさん、こんにちは。文房具が好きである。とはいっても、文房具に関する情報には疎い。 基本的には文房具店に足を運ぶことで情報を得ている。 しかし店頭における情報収集だけでは十分な情報を得られない。 こんなことがあった。ある日…

同時読み! 森博嗣『幻惑の死と使途』『夏のレプリカ』を読み返す。

中学生の頃、森博嗣にはまっていた黒歴史を持つ。毎週末図書館へ通いノベルスを借りた。 S&Mシリーズ、Vシリーズ、四季四部作を読み、熱病が覚めた。 高校受験の勉強等が始まり、森博嗣と私との蜜月は終わった。その後は、シリーズものでない小説やエッセ…

読書通帳が欲しい。

お盆。大学にいると気がつかないが、一歩外に出れば世間はお盆休みだ。 いつもの本屋も、平日にもかかわらず人が多い。 文房具を探しに行ったのだが、お目当てのものは見つからず。代わりに前々から欲しいと思っていた『ちくま日本文学016 稲垣足穂』を購入…

ちょっとマイナーな海洋冒険小説を読む J・メイスフィールド『ニワトリ号一番のり』

ときどき児童書というか、児童文学を読みたくなる。 とはいっても「子ども向けに書きました!」というような本(学校を舞台に子供が活躍する、みたいな)ではないもの。 対象年齢でいえば、小学校高学年や中学生向けの本になるのだろうか。中学生向けに書かれ…

別に検索したくはないけれど。東浩紀『弱いつながり 検索ワードを探す旅』

読んだ。面白かった。いろいろ考えた。 部分的には納得できることばかり。 ただし、全体を見た時、アレと思うところがある。目次は以下。 0 はじめに 強いネットと弱いリアル 1 旅に出る 台湾/インド 2 観光客になる 福島 3 モノに触れる アウシュヴィッツ 4…

読書ブログだし「本好きへの100の質問」に答えてみる。

トピック「本好き」について100の質問。なんだか、懐かしい。便乗します。 金曜の夜にひとりぼっちの部屋で100問答えてみたよ。疲れたよ。 質問はこちらのサイト様から→http://www.geocities.jp/bookend1185/book100.html。001. 本が好きな理由を教えてくだ…

本が読めない。

雨が降り、夏の暑さはあっという間に去っていった。わが田舎町の夏が終わった。 本が読めない。 先週まで一日一冊のペースで小説を読んでいたのだが、その読書の波がぴったりと止まってしまった。一日に10ページ程というスローペースで小説と、勉強の合間に…

埴谷雄高『死霊』(講談社文芸文庫)を読む。【読書感想】

埴谷雄高『死霊』、講談社文芸文庫三冊を読了した。 気合いを入れて読み始めたが、意外とすんなり読めた。普通に面白いと思う。通読に2か月を要したが、これは『死霊』を読みながら別の本に浮気していたためである。しかし通読をしたからといって、内容を理…

「知ること」「考えること」について考える。『華氏451度』(レイ・ブラッドベリ著)【読書感想】

『華氏451度』(レイ・ブラッドベリ著)を読んだ。 有名な作品なので題名のみ知っていた。 近未来を書いたブラッドベリの中長編である(解説には中編とあったが長編でいいと思う)。 テーマは「焚書」。ディストピア小説である。後半は戦争も出てきて、なかな…

ある日の本と文房具の自己満足日記。名古屋へ行ってきた編。

名古屋へ行ってきた。 少し時間が空いていたので、ぶらぶらと町を歩く。 名古屋ボストン美術館にてミレー展をみる。開館15周年記念らしい。 絵の感想は書かない。美術館へ行くと必ずミュージアムショップを覗く。 そして毎回展示会図録を買おうかどうか迷う…

自由度高すぎなスリラーに騙される 『駄作』ジェシー・ケラーマン

最終章を読みながら嫌な予感を感じていた。『駄作』ジェシー・ケラーマン。 酷いタイトルだ、と思う。何故好き好んでこんなタイトルの本を読まないといけないのか。 原題は『Potboiler』。訳者あとがきによると「金目当ての通俗小説、もしくはそうした作品を…

海小説!ジブリ映画『思い出のマーニー』の原作小説を読む【読書感想】

今週のお題「海か? 山か?」 物心ついたときから海が好きだった。船も魚もひっくるめてとにかく大好き。なので、海か山かと聞かれたら「海!」と即答する。 それは現実でも物語でも変わらない。 (ちなみに我が田舎町には海も山もある。魚美味しい。山には…

読書がつながる瞬間

読書を趣味としていると、以前読んだことのある本とそのとき読んでいる本がつながる瞬間がある。 直接的に繋がることもあるし、間接的なイメージによって繋がることもある。 その瞬間は、思わず目を見開いてしまう程の戦慄と喜びに満ちている。読書の醍醐味…

SF初心者の読む『夏への扉』ロバート・A・ハインライン

SF小説をあまり読んだことがない。 なぜならばSFを読む習慣がないから。 読書において習慣というものはとても大事だ。 本屋へ行き、無意識のうちに推理小説を探す一方でSF小説は無視している自分がいる。 いくら本屋へ通ってもSF小説に出会わないわけだ。二…

選んでよかったもの 大学ノート編

今週のお題「選んでよかったもの」全国の文房具好きのみなさん、こんにちは。文房具好き、と一口に言っても各々得意分野があると思う。 私が最も好きな分野は「ノート」である。日記や読書記録等にはいわゆる「高級ノート」を使っている。 が、私はまだ大学…